コモディティとは? 投資や市場で使われるそれぞれの意味を中心にその意味を解説
その他「コモディティ」という言葉を聞いたことはありますか?
ニュースや新聞などで「〇〇のコモディティ化が進んでいる」という話題を聞いたことがあるかもしれません。
「コモディティ」は英語で”commodity”と表現される言葉であり、意味としては「商品」「(農業や鉱物などの)産物」という意味です。
この記事では「コモディティ」というよく耳にする言葉について、2つあるその主な用法を軸に解説していきたいと思います。
コモディティとは
コモディティは英語では「商品」という意味で使われることが多い言葉ですが、日本においては投資や市場価値と関連付けて語られることが多い言葉です。したがって、ここからは以下2つに分けて「コモディティ」という言葉を解説したいと思います。
・投資におけるコモディティ
・市場価値におけるコモディティ
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
投資におけるコモディティ
コモディティは一般的に「商品」「日用品」という意味の言葉ですが、投資用語では「コモディティ投資」として使われることもあります。
この文脈においてコモディティとは商品先物取引で取引されている以下のような商品を指します。
・原油やガソリン、天然ガスなどのエネルギー
・金や銀、プラチナなどの貴金属
・トウモロコシや大豆などの穀物
つまりコモディティ投資とは、これらのコモディティを投資対象とする投資のことです。商品や商品先物市場で運用される商品ファンドに投資する方法や、商品指数に償還価額が連動する「コモディティ信託」などがあります。
投資といえば株式投資や債券投資などが伝統的な投資対象ですが、これらは基本的にはモノではありません。一方でコモディティ投資の場合には投資対象が実体を有する資産ですので、より安心感のある投資と言えるかもしれません。
コモディティ投資のメリット
株式投資や債券投資と異なるコモディティ投資のメリットとは一体何でしょうか?一般的に言われているコモディティ投資のメリットは以下のとおりです。
・資産分散効果
・インフレに強い
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
資産分散効果
伝統的な投資対象である株式や債券などへの投資とコモディティ投資を組み合わせることで資産の分散効果が期待できます。
コモディティ投資の対象であるエネルギー・貴金属・穀物などは自然災害や天候の影響、為替レートなど様々な要因に左右されます。これらの価格変動要因は株式投資や債券投資とは異なるので、すでに伝統的資産に投資をしている人にとっては分散投資となります。
例えば、安全資産と呼ばれる金と株式に投資をしている場合を想定してみましょう。株式は政治経済情勢によって乱高下しますが、そのような状況下でも金は価格が安定もしくは上昇する傾向にあります。したがって、株式と金に投資をすることでリスクヘッジが可能になります。
インフレに強い
インフレとはモノやサービスの価格が上がり続ける状態を指します。このような状態では現金の価値が下落し、反対にモノやサービスの価値は上昇します。
コモディティはモノですので、インフレによって現金の価値が下落しても、コモディティの価値は上昇します。特に金は「安全資産」「有事の金」と呼ばれており、その希少性の高さから株式相場が不安定なときやインフレが進行したときでも価格が上昇します。
市場価値におけるコモディティ
「コモディティ」という単語は投資の世界では一般的ですが、実は私たちの日常生活とも密接に関わっています。それはコモディティという単語が市場価値の文脈で語られるときです。このような時には一般的に「コモディティ化」という現象として使われます。
コモディティ化はマルクス経済学の用語であり、希少性と反対の意味を持ちます。つまり、特定の産業やカテゴリにおいて製品の品質や機能が同質化することに伴って、経済価値も同質化します。現在では多くの産業が成熟化して、「コモディティ化」が起こっており、こうした産業の商品は一定の需要はあるものの、低価格競争を余儀なくされ事業として大きな利益は見込めなくなります。
例として挙げるならば、スマホのコモディティ化が進んでいます。初めてスマホが開発・発売された時にはまだ希少価値のある新商品であり、多くの消費者が欲しがりました。供給量に比べて需要が多く、価格も高止まりしていました。しかし、現在では多くのメーカーがスマホを製造・販売しており、また多くの消費者にスマホが行き届いた結果として、希少価値は薄れました。その結果、スマホ業界でも低価格競争が激しさを増しており、日系企業を含め採算が取れずにスマホ業界から撤退する企業も増えています。
コモディティ化から脱出するためには希少価値を高めるためのブランド戦略が重要であると言われています。
まとめ
コモディティという用語は投資や市場価値の文脈で語られることが多い用語です。
投資においては上述のように分散効果やインフレに強いという特徴があるので、投資対象として検討してみてはいかがでしょう。 特に「金」はコモディティ投資の代表格ですので、「どれに投資をすればいいか分からない」という場合は「金」への投資を検討されることをおすすめします。