「幹細胞に若返り効果がある」とはどういうことなのか

2023.06.28 健康長寿

人間の細胞数はおよそ数十兆個で構成されており、その中には細胞の元となる細胞といわれる幹細胞が存在します。その幹細胞に「若返り効果があるらしい」とお聞きになられたことはないでしょうか。

正しくは「幹細胞培養上清液（かんさいぼうばいようじょうせいえき）の細胞の修復と再生の効果」のことを言います。

この記事では、幹細胞について解説したうえで、幹細胞上清液に期待できる効果を解説します。

当院では0次予防プログラムとして、幹細胞培養上清液を取り扱っています。

幹細胞は元となる細胞

人間の体には、多種多様な細胞があります。その細胞は一様ではなく、身体の臓器や組織によってたくさんの種類があり役割を担っています。

そして幹細胞も、多種多様な細胞の1つです。幹細胞の特徴は、細胞の元になる細胞を作り出す能力があることです。

「幹細胞が細胞の元になる」と聞くと、医学的で生物学的なイメージがあって難しく感じるかもしれませんが、実は身近で起きています。

例えば、転倒して皮膚に傷を負ってしまっても、数週間後には傷跡は回復もしくは治癒をしています。これは皮膚の幹細胞である表皮幹細胞が元となり、皮膚の細胞をつくっているからです。

それぞれの臓器・器官には幹細胞があり、例えば神経の細胞をつくるのは神経幹細胞、肝臓の細胞をつくるのは肝幹細胞、血液の細胞をつくるのは造血幹細胞といいます。

幹細胞が若返りに関わってくるのは、まさにこの細胞の元になる性質のおかげです。

細胞が集まった集合体を組織といい、皮膚も組織です。皮膚が傷つくことは組織の破壊であり、幹細胞が皮膚の細胞を作って傷が消えるのは、組織の修復や再生になります。

老化は組織が劣化した状態のことであり、老化の逆の現象である若返りは、組織が修復・再生できた状態のことです。

以上のことをまとめるとこのようになります。

皮膚の老化＝組織の劣化
↓
幹細胞が皮膚細胞をつくる
↓
皮膚が修復・再生
↓
「若返った」といえる

幹細胞に組織を修復・再生する力や若返り効果があったとしても、幹細胞を増産することは簡単なことではないので、これをそのまま美容医療などに使うことはできません。

そこで注目されたのが幹細胞培養上清液です。

培養とは、細胞などを増殖させる行為であり、上清液とは上澄み液のことです。

つまり幹細胞培養上清液とは、幹細胞を培養したときに幹細胞を取り出した液体の上澄み液のことです。

幹細胞に若返り（＝組織の再生）効果があるのであれば、幹細胞培養上清液に、よい効果を生み出すよい成分が含まれているであろうことは容易に想像がつきます。

そして実際に研究者が幹細胞培養上清液の成分を調べたところ、サイトカインや成長因子が豊富に含まれている有効成分が見つかりました。

研究者は培養において、増殖した幹細胞が必要なのであって、幹細胞培養上清液は特に必要ではありません。

しかし有効成分が含まれているのであれば美容医療などに期待ができます。

幹細胞培養上清液に含まれている、若返り効果が期待できる成分は、増殖因子、成長因子、血管新生因子などです。

増殖因子や成長因子とは細胞の増殖や成長を助けるものなので、ダイレクトに若返り効果が期待できます。

血管新生因子は、動脈硬化などによる血行の途絶に対して側副血行路として血管新生をして血行を再開させます。

培養を終えた直後の幹細胞培養上清液は有効成分のほかに幹細胞が排出した老廃物も含まれています。

そのため、クリニックなどで提供している「製品としての幹細胞培養上清液」は、メーカーが浄化したり濃縮したりといった加工を施しています。

患者様には、安心してご利用頂けます。

病気と健康の1次予防とは、生活習慣の改善を図り病気を引き起こさないようにする取り組みのことです。2次予防とは、病気を早期に発見して早期に治療し重症化を予防することです。3次予防とは、治療過程においてリハビリテーションが行われ、再発防止や社会復帰できるような取り組みになります。

予防医学として1～3次予防に分類されていますが、当院では0次予防として、さらに人々の健康を維持・増進させる取り組みで病気を寄せつけない身体を目指しています。

患者様へ提供をしている幹細胞培養上清液には、若返り効果はもちろんのこと、さまざまな病気の原因である老化した幹細胞を修復することで、疾患の改善や病気の予防効果を得ることができます。