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厚生労働省が推進する「0次予防(ゼロ次予防)」 1次予防との違いと取り組み方の具体例

未病

病気の早期発見のための健診や、生活習慣の改善が勧められているなかで、いま新しく提唱されているのが「0次予防(ゼロ次予防)」です。個人単位ではなく地域という広い範囲で、住民が自然と健康的な生活を送れるよう環境改善するのが目的で、日本でも先進的な取り組みを行っている自治体も少なくありません。今回は0次予防の概要と具体的な取り組み事例について解説します。

0次予防とは?

病気の「予防」といえば、例えばがんの早期発見・早期治療のための2次予防や、禁煙や食事などの生活習慣に気を使う1次予防などが注目されています。一方、0次予防は「地域や環境そのものが人を健康にしていくよう調整すること」を指します。

1次予防との違い

0次予防も1次予防も、根幹には行動や生活習慣を整えることが重要となります。1次予防は個人が対象で、情報収集したり知識をつけたりすることなので、個人の努力や意思の強さが要になります。

それに対して、0次予防は地域が対象でそもそも病気や健康のことを考えなくても、自然と健康的な行動や生活習慣ができるように、地域や社会を整えるという考え方です。

例えば、健診で高血圧や高脂血症が指摘されているとして、家の近くにファストフード店があったらその利便さについ利用してしまうかもしれません。しかし、家の近くにあるのが総菜屋であれば、極端に偏った食事よりは、野菜なども入っているバランスのとれた食事を摂りやすい環境といえるでしょう。

このように0次予防では、努力や意思に関係なく、健康を意識しなくても健康的な行動や生活習慣が実行できるような環境を、社会まるごと整えていくことがポイントになります。

健康格差への問題

国民皆保険制度があるため、世界的にも平等に医療を受けられるとされている日本でも、健康格差は存在して問題視されています。健康格差が生じる原因は2つあります。1つは「所得」が挙げられます。裕福な人ほど健康に関する興味関心が高く健診に行ったり食生活を整えたりするため、所得の低い人よりも要介護認定を受けたり死亡したりするリスクが約3倍も異なるというデータを示す資料があります。

そしてもう1つの原因が、「地域」によるものです。移動手段では、地方では車を使って移動することが多いことに対して、都市部では電車で移動するために駅まで歩くので、都市部の方が歩行時間が長くなる傾向にあります。歩行時間の長さや歩数は運動不足に直結するため、日常生活の主となる移動手段も健康に影響を与える大きな環境の違いといえるでしょう。

食料品店が自宅近くにある人たちは、そうでない人に比べて果物や野菜を摂取する傾向にあり、要介護認定になったり認知症になる確立が低いこと、公園が近い高齢者は運動頻度が2倍も多く、活動拠点の近くに住んでいる人ほど活動の参加度が高いことがわかっています。行動に至るまでのハードルが低くなるように、社会環境そのものをデザインしていくことが注目されています。

0次予防の基本となる3つのテーマ

研究結果から、0次予防の基本となるテーマが3つ挙げられています。

1つ目は「歩く」ことです。歩行が健康にいいことは周知の事実ですが、意識的に散歩を習慣づける前提として、自然と歩ける環境が実際にあることが大切です。歩きやすい街では、膝痛や腰痛を持つ人が少ない傾向にあることがわかっています。

2つ目は「話す」ことです。社会参加をして人と話す機会のある人ほど、要介護となるリスクが低いとわかっています。グループに参加するなかで人とのつながりが増え、誰かと話すことが健康の維持増進に効いているのかもしれません。

3つ目は「感じる」ことです。これは、自然の緑を感じることを指します。公園が近くにあればそこで運動ができますし、誰かと運動すれば会話が生まれることが健康の維持・増進につながっていると考えられています。

自治体の取組み例

前述したように0次予防では「地域や環境そのものが人を健康にしていくよう調整すること」が必要となることから、地域全体が取り組んでいる自治体があるので紹介いたします。

滋賀県長浜市では、2007年から京都大学と連携し「ながはま0次予防コホート事業」として、独自の健康づくりに取組んでいます。

ながはま0次予防コホート事業とは

長浜市の人口は約11.8万人です。そのうちの1万人を対象にして「ながはま0次予防コホート事業」の参加者を募りました。同事業では0次健診や発症登録を行うことで参加者の健康状態を調査し、情報を蓄積することで生活習慣病の発症メカニズム解明など、広く医学の発展に寄与することを目指します。また参加者には、京都大学の健康づくりに関する豊富な知識と最新の情報を提供することで、市民の健康に対する意識を高め、市民が自ら健康増進を図ることを目指して取り組んでいます。

研究段階の概念でも、今できることは環境を整えることです

今回は0次予防と長浜市の取り組み例を紹介してきました。0次予防に取り組んでいる自治体は多くなく、まだ研究段階にあります。長浜市の取り組みについても、参加者の今の健康状態はわかっても、その地域に住んでいる人が数年〜数十年先にどんな疾患にかかりやすいのかは、時間をかけて追っていく必要があるため、研究結果が出るのはしばらく先の話になりそうです。

だからこそ、いま私たちにできることは、健康になるための環境を自治体任せにするのではなく、個人でも整えることです。0次予防に取り組んでいる自治体にお住まいの方は、まずは積極的に取り組みに参加してみましょう。他の地域に住んでいる人は、自分の持っている病気がこれ以上悪化しないための環境づくりや、家族歴からどんな疾患がなりやすいのかを把握したうえで予防できるような環境を整えましょう。

関連記事:0次予防は個人でも実践できる?自ら健康的な環境をつくるポイント

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