【入門編】海外と日本医療の考え方の違い。自分の健康は誰が管理する?
その他健康保険の有無や医療体制、文化の違いから日本と諸外国で「健康」や「医療」の向き合い方は大きく異なります。どちらかに正誤があるわけではないですが、世界でも類のないレベルでの高齢化社会を迎えた日本で、健康寿命の重要性が高まっている昨今、他国の健康意識について理解することは決して損ではありません。
そこで今回は、海外と日本の健康意識の違いについて解説します。普段の生活改善や医療サービスへのお金の使い方などの参考にしてください。
海外は「自分の健康は自分で管理する」のが基本
一言で海外といってもさまざまな医療制度・文化がありますが、基本的に健康診断や予防接種を受けるには「自発的な意思」が必要なケースが多いです。この理由としては日本では当たり前になっている企業が従業員に対して「健康診断を受けさせる義務」といった個人の健康に関する公的な支援・制度が海外には、十分に設けられていないケースが多いことが挙げられます。
■日本の健康診断の種類(一般健康診断)
健康診断の種類 | 対象となる労働者 | 実施時期 |
雇入時の健康診断(安衛則第43条) | 常時使用する労働者 | 雇入れの際 |
定期健康診断 (安衛則第44条) | 常時使用する労働者(一部例外あり) | 1年以内ごとに1回 |
特定業務従事者の健康診断
(安衛則第45条) |
労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げる業務に常時従事する労働者 | 左記業務への配置替えの際、6月以内ごとに1回 |
海外派遣労働者の健康診断
(安衛則第45条の2) |
海外に6ヶ月以上派遣する労働者 | 海外に6月以上派遣する際、
帰国後国内業務に就かせる際 |
給食従業員の検便
(安衛則第47条) |
事業に附属する食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者 | 雇入れの際、配置替えの際 |
※出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~」
その結果、医療保険や予防医療、生活習慣などについて能動的に情報を収集して、自発的に行動する必要性が高く、個々人の健康意識の向上にもつながっていると考えられます。さらに独立行政法人労働健康福祉士機構の関連組織である「JOHAC(海外勤務健康管理センター)」によると、世界的な認識としては「健康管理が低い=教育程度が低い」と見なされてしまう潮流が強いため、より自分の健康は自分で管理するという意識が強まるのだと考えられています。
海外と日本の病院の違いと「家庭医」の有無
医療制度だけでなく、病院の医療体制も海外と日本とは異なるケースがあります。最も代表的な違いは、海外は「開放型(オープン・システム)病院」であり、日本は「閉鎖型(クローズド・システム)病院」であることが多いです。主な違いは以下の通りです。
■開放型病院と日本の病院の違い
開放型病院 | 閉鎖型病院 | |
院内医師との関係 | 原則として、雇用関係なし | スタッフ丸抱え |
運営単位 | 各診療科毎に別々 | 病院全体として一括運営 |
患者の視点から | 開業医の紹介で、単品のサービスを供給 | とりあえず病院に行けば全てのサービスがある |
開業医との関係 | 開業医に各機能を開放し、共同で診療にあたる | 開業医と競合する |
出典:JOHAC(海外勤務健康管理センター「病気になったら家庭医へ、病気でなくとも家庭医へ」
さまざまな違いがありますが、健康意識に大きな影響を与えているのが「患者の視点から」の項目です。開放型病院は基本的に開業医の紹介でなければ、適切な医療サービスを受けるのが難しいのが、とりあえず病院に行けば全てのサービスが用意されている日本の病院との大きな違いです。
そのため、海外では普段から健康に関するアドバイス・相談先となる「家庭医」の存在が重要です。家庭医はあくまでもアドバイザーまたは「病域になった際の最初の相談先」という立ち位置ですが、日々の健康相談など身近な存在であり、必要に応じて専門外来や総合病院に紹介してくれるなど重要な役割を果たしています。
まずは「自分の健康は自分で管理する」という認識のもと、信頼できる家庭医の協力も得ながら管理することが海外では主流といえるでしょう。また、日本においても会員制の人間ドックといったエグゼクティブ医療を利用するなど、自分の健康を自分で管理する意識の高い人が増えつつあります。
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