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男性・女性の性別で異なる。年齢とともに発症リスクが高まる病気とは

健康長寿

加齢に伴って病気のリスクが高まるのは男性も女性も同様で、生活習慣病の進行が心筋梗塞などの致命的な病気につながります。一方、加齢による病気の発症リスクやその種類は男性・女性などの性別、生活習慣でかかりやすい病気は異なるため、日常生活で注意すべき点は個々人で変わります。

ただ、多くの人に関わる要素であるため、いくつになっても健康に過ごすためには対策を取る必要性は高いでしょう。そこで今回は、加齢でかかりやすい病気の男女差や特に注意すべき病気を紹介します。また厚生労働省の情報をもとに病気を早期発見する方法や予防・治療方法を解説します。

 

加齢でかかりやすい病気には男女差がある

ホルモンバランスや基礎代謝の量には男女差があり、それらがかかりやすい病気に関係するといわれます。例えば閉経前の女性は心疾患にかかりにくいですが、これは女性ホルモンのエストロゲンの作用だと考えられています。

■エストロゲン
女性らしさを司るホルモンで、丸みを帯びた体つきや生殖器官の発育に役立つ。また、適正な血圧を維持したり、悪玉コレステロールの生産を抑制したりする効果もある。

他にも生活習慣や働き方などの男女差が、それぞれのかかる病気や平均寿命に影響するとされています。しかし従来の外来診療では、男女差が考慮されない画一的な診断・治療しかされないため、近年は「性差医療」が注目されるようになりました。

性差医療の意味と重要視される理由

性差医療とは、男性・女性の体の違いに配慮しながら病気の診断や治療を行う考え方で、アメリカで提唱されました。きっかけは、1980年代のアメリカで医学・薬学研究分野における女性のデータの少なさが浮き彫りになったことです。

その背景には、世界的な薬害事件で多くの胎児が犠牲になったこともあり、女性の臨床研究への参加は排除されていたことがあります。そのため、男性の研究データをもとに女性の医療行為を行うのが主流でしたが、次第に女性に特化した医療センターが設立されるようになりました。

それ以降はアメリカだけでなく日本でも、男女別々のアプローチをする動きが広がっており、各種メディアで女性外来の開設が取り上げられています。一方、男性がかかりやすい病気もあるので、男女それぞれが自身に適した医療を受けることが大切です。

男女別で注意すべき代表的な病気とは?

男女で発症率に明らかな差がある代表的な疾患としては、「痛風」と「骨粗鬆症」が挙げられます。

まず痛風とは、足の指の関節などに腫れや痛みが起こる病気で、2019年時点の患者数は国内で約125万人以上です。その内の119万人ほどが男性で、患者全体の約95%を占めています。性差が生まれる要因としては、女性ホルモンが尿酸を排出する作用を持つことが影響するとされています。

次に骨粗鬆症とは、加齢に伴う骨密度などの減少で骨折しやすくなる病気で、生活の質(QOL)を大きく損なうリスクがあります。特に骨折しやすい箇所は背骨や手首、太ももの付け根などで、動けないほどの痛みや身長の縮みにつながります。国内患者数は1,000万人を超え、内訳は女性が980万人、男性が300万人となっており、女性患者が3倍以上多いです。

※出典:厚生労働省「2019 年 国民生活基礎調査の概況」

※出典:公益財団法人 痛風・尿酸財団「痛風はなぜ男性に多いのか?」

※出典:一般社団法人 日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」

男性の痛風を早期発見・早期治療する重要性と予防法

痛風の症状自体は命を脅かすものではないですが、罹患する人の半数は高脂血症などの他の生活習慣病を併発しているといわれます。生活習慣病は脳梗塞などの致命的な合併症を招くので、定期的な血液検査で尿酸値やコレステロールなどを調べた方が良いでしょう。

治療法は2段階に分かれており、まずは痛風発作(痛みと腫れ)を抑える薬を使い、発作が治ってから尿酸値を下げる薬を使います。また、生活習慣を改めることも予防や治療に大切です。まずは暴飲暴食や過度な飲酒は控えること、1日2リットル以上の水分補給、ストレス解消、適度な運動を取り入れてみてください。

女性の骨粗鬆症を早期発見・早期治療する重要性と予防法

加齢で骨粗鬆症になると、くしゃみなどの小さな刺激だけで骨が折れるようになり、寝たきりや死亡リスクの上昇につながります。また、一度低下した骨密度をもとに戻すことは難しいので、早期発見と予防が大切です。

早期発見のためには、人間ドックや保健所などで骨密度の測定をするのが一番ですが、骨折リスクのセルフチェックも便利です。例えばアンケートに答えることで骨折リスクがわかる「FRAX®︎」というツールは無料で使えますし、祖母や母親の骨折の既往から自分のリスクを推測するのも有効です。

予防のポイントは、運動と食生活の改善で加齢に伴う骨量の減少を最小限にすることです。運動はウォーキング、ジョギング、筋力トレーニングなど、骨に重力や荷重負荷がかかるものが効果的とされています。食生活ではカルシウムの摂取が重要なので、小松菜や春菊などの野菜類や乳製品を取りつつ、バランスの良い食事を心がけましょう。

※出典:厚生労働省「骨粗鬆症」

会員制人間ドックは病気の早期発見・早期治療をサポート

加齢でかかりやすい病気には男女差があることや、それぞれの病気への対処方法を解説しました。痛風と骨粗鬆症は致命的なものではありませんが、合併症によって死亡リスクは高まります。そのため、早期発見と予防のために生活習慣の見直しと定期的な検診は欠かせません。

今回は性差に注目しましたが、会員制人間ドックでは会員様のお体に合わせたテーラーメイドな検査が可能ですので、ご自身の病気の前兆や適切な治療を知りたい方はご活用ください。

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