アンチエイジングとは?若々しく生きるために
健康長寿日本人の平均寿命は令和2年時点で男性が81.64歳、女性が87.74歳となり、年々寿命が延びている傾向に変わりはありません。
平均寿命が延びるにつれて、定年退職後のライフプラン設計が重要になる一方、加齢に伴う病気や怪我、社会からの孤立なども社会問題になっています。それでも人生100年時代の今、誰もが健康で若々しく長生きしたいと考えることでしょう。
年齢を重ねても若々しくいるために、注目されているのがアンチエイジングという考え方です。
以前は美容の分野でよく聞かれていたアンチエイジングという言葉ですが、最近では美容に留まらず医療の分野でも注目されています。
本記事では、アンチエイジングとは何か、基本的な意味の解説と、医療の分野でどのように注目されているのか、そしてアンチエイジングを取り入れた生活についてご紹介します。
アンチエイジングとは
アンチエイジングは日本語にするなら「抗加齢」や「抗老化」となります。実際には加齢を避けることはできませんので、その影響を軽減して、健康で若々しく生きることがアンチエイジングの目標ということになります。
人間は生物学的には20歳までを成長のピークにして、その後は徐々に衰えていくように作られています。その原因は酸化作用による細胞の老化、成長ホルモンの減少、精神的な衰えなど様々です。
必然的に起こる老化をなるべく緩やかにして、いつまでも元気に過ごせるようになることがアンチエイジングです。
では、どんなことをすればアンチエイジングになるのか、例を挙げてみましょう。
・適度な運動やストレッチ
・バランスの良い食事
・十分な睡眠
・禁酒、禁煙
・ストレス耐性
一般的に健康に良いとされている習慣を実践すれば、アンチエイジングにもなります。どれも決して難しい内容ではないので、できることから、まずは1つずつでも試してみることをおすすめします。
アンチエイジングの医療への活用
アンチエイジングは医療の分野でも注目されています。
日本抗加齢学会では、アンチエイジング医療について次のように定義しています。
「抗加齢医学(アンチエイジング医学)とは、加齢という生物学的プロセスに加入を行い、加齢に伴う動脈硬化や、がんのような加齢関連疾患の発症確率を下げ、健康長寿をめざす医学である。」
この定義に基づくなら、加齢に伴って発症する変化や疾患を防ぎ、健康的に長生きすることを目的とした予防医学こそ、アンチエイジング医療ということになります。
美容医療でのアンチエイジングには、生活習慣の改善だけでなく、新陳代謝を改善する内服薬や点滴、レーザー治療などがあり、医学的な治療法が用いられています。
他の医療分野ではアンチエイジングドックという、血管年齢や脳年齢、体力年齢などを検査し、適切な運動療法、栄養療法、精神療法を指導するという取り組みも行われています。
アンチエイジングの方法
医療に頼る方法以外でも、手軽に出来るアンチエイジングがあります。自宅で行うことができる方法も多いので、簡単なものから始めてみましょう。
今日からでも実践できる方法を5つ紹介します。
- 午前中に水分を多めに飲む
- 椅子に座っている時に、肩甲骨を後ろにぐっと引く
- 普段より5cmくらい大股で歩く
- 食事はインスタントや添加物の多いものを避ける
- 夜は早く寝て、朝は朝日の昇る時間に起きる
午前中に水分を多めに飲む
人体の3分の2は水分で出来ています。就寝中も代謝が行われているため、朝起きた時には多くの水分を失っているのです。朝起きたらまずはコップ1杯分の水を飲みましょう。水分を補給することで血流が改善し、新陳代謝も活性化し、デトックス効果も期待できます。
水は常温でも良いですが、冬場など冷え込む時期は白湯のような少しぬるめのお湯が内臓への負担が少ないのでおすすめです。
椅子に座っている時に、肩甲骨を後ろにぐっと引く
仕事などで長時間デスクワークをしていると、自然に姿勢が前かがみになり、猫背になりがちです。猫背が続くと腹直筋と腸腰筋という歩く力にも関係する筋肉が衰え、たるんだお腹になってしまいます。
デスクワークの合間に肩甲骨を後ろにぐっと引くことで、肩周囲の血流を改善し、姿勢を正すことにも繋がります。姿勢が悪くなる前に、肩甲骨を動かして良い姿勢を保ちましょう。
普段より5cmくらい大股で歩く
通勤中でも出来る運動として、普段より大股に歩くことで大きい筋肉を刺激する方法があります。全身の筋肉のうち、下半身には筋肉の3分の2が集中しており、下半身を刺激することは血流改善と健康的な生活には欠かせません。普段より少し大股に歩く意識を持つだけで、アンチエイジングの効果があるのです。
食事はインスタントや添加物の多いものを避ける
食事は規則正しく、バランスの良いものを食べるようにしましょう。
インスタント食品や添加物には老化を促進する酸化物質が多く、食べ続けると老化を早める上、身体の糖化が進み、生活習慣病へと繋がります。
肉・魚などのタンパク質、野菜の食物繊維やビタミン、海藻類のミネラルなど、バランスの良い食事を摂ることが大事です。
夜は早く寝て、朝は朝日が昇る時間に起きる
昔から「早起きは三文の得」というほど、早起きは良いことに繋がります。人にはサーカディアンリズムという体内サイクルがあり、おおよそ26時間で1日として動いています。サーカディアンリズムを1日の動きに合わせるには、朝日を浴びることが重要です。朝日を浴びるとサーカディアンリズムがリセットされ、身体が動き出す準備を始めるのです。
規則正しい生活はストレスの軽減にもつながるので、早寝早起きを実践してみてください。
まとめ
誰もが望んでやまない若々しさは、科学技術の発達により生物学的にも解明されてきています。
年を重ねること自体を避けることは出来ませんが、医療の活用や生活のちょっとした工夫でアンチエイジングは可能です。
人生100年時代を健康で長生きするためにも、今日から出来るアンチエイジングに取り組むことが大事です。