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快眠とは? 経営者など一流の人ほど重要性を知っている睡眠の質の話

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寝ずに働くことが美徳とされた時代もありましたが、現在では一流の人ほど睡眠を重視し、よく眠ることによってもたらされるさまざまなメリットを享受しています(*1)。

この記事では、睡眠と健康、睡眠と病気の関係を掘り下げ、ことを成し遂げるためになぜ快眠が必要なのかを考えます。

睡眠は1日のスタート

朝から夕方までしっかり活動し、晩御飯を食べ、アルコールを少し飲み、入浴してベッドに入る――1日をこのようにとらえると、睡眠は1日のゴールのように感じられるかもしれません。

しかし「一流の睡眠」の著者で、医師であり医療系コンサルタントでもある裴英洙(はい・えいしゅ)氏は、睡眠はむしろ1日のスタートであると説いています(*1*2)。

裴氏は臨床にいたころ、手術にベストの状態で臨むため、前日は良質な睡眠を取るよう心がけていたそうです。つまり次の日の自分の状態を決めるものとして、前日の睡眠が意識されていたということです。

一流の人は、翌日のパフォーマンスを最高のものをするために、前日の睡眠の質にこだわります。

睡眠とは何なのか

経営者や一流の人たちが快眠を求めるのは、しっかり眠ると頭がよく働くことを経験的に知っているからでしょう。そしてこの経験則の正しさは科学的にも医学的にも証明されています。

睡眠とは何なのかを知ることが、快眠の重要性を理解するカギになります。

脳を守るために眠る

人が他の動物より優れた活動ができるのは、大脳が発達しているからです。しかし大脳には大きな欠点があり、それは連続して働けないことです。

大脳の働きが限界に達したときに、睡眠が必要になります。そして睡眠を取ることで大脳が守られ、弱った部分が修復され、よりよく活動できるようになります。

さらに、眠りたくても眠れない状態が続く断眠が長期間に及ぶと、生体機能が劣化して、最後は死に至ります(*3)。

睡眠は「ONとOFFのOFF」ではなく「ONをよりよくするために必須のこと」と考えることができます。

ご飯を食べないと動けないように、眠らないと脳が思うように活動できなくなります。

特に高度な仕事をする人にとって、良質な睡眠、すなわち快眠は、必要不可欠です(*4)。

免疫が活発になると眠くなる

健康を維持するのに免疫は重要な役割を担っています。ウイルスを多少吸い込んだぐらいでは病気にならないのは、免疫がウイルスを抑えているからです。

体調が悪いときに風邪を引きやすいのは、体調不良が免疫力を落とし、風邪ウイルスに体が負けてしまうからです。

免疫と睡眠には奇妙な関係があり、免疫が活発に働いているとき、人は眠気に襲われます(*4)。

免疫がウイルスを叩くのは、ウイルスを検知すると体がさまざまな物質を出して抵抗するからです。これらの物質を総称してサイトカイン(免疫関連液性因子)といいます。サイトカインがウイルスなどの病原性微生物と戦っているとき(つまり、免疫が活発になっているとき)、脳である異変が起きています。

異変とは、脳が睡眠欲を強める現象です。

風邪を引いたり、インフルエンザにかかったり、大きなケガを負ったり、花粉症を発症したりすると人が眠くなるのは、免疫が健康を取り戻そうと活発に働いて、その反動として眠たくなっていると考えられています。

快眠には健康が必要

快眠は健康をもたらしますが、健康でないと快眠が得られないという側面もあります。

睡眠障害を起こす病気は90種類以上もあります。例えば、神経症、精神疾患、多くの身体疾患、生体リズム障害などがそれにあたります(*5)。

このことは、睡眠不足が健康を害し、健康が害されるとよく眠れなくなり、それがさらに体をむしばむという悪循環に陥ることを意味しています。

医療の領域に睡眠学がありますが、ここでは睡眠障害とそれを引き起こす病気の研究も行われています。

睡眠障害の経済損失は2兆円

睡眠障害が健康を害し、健康を害すると睡眠障害に陥ることから、睡眠障害は人々のパフォーマンスを落とすことになります。

社会人のパフォーマンスが落ちれば経済活動が低下します。

日本では成人の20%ほどが睡眠障害を抱えているといわれ、その経済損失は年2兆円にのぼるとの試算もあります(*5)。

年2兆円の損失は日本全体の話ですが、これを一企業の話に置き換えると、従業員が睡眠障害を引き起こすと会社の売上や利益が失われる、という理解になります。

優れた経営者は自分の快眠を確保しますが、もっと優れた経営者は従業員の睡眠にも気を配っているはずです。

まとめに代えて~快眠効果は一流の人に必要なものばかり

睡眠が人にもたらすよい効果は健康だけではありません。

睡眠には記憶の固定の効果もあります。日中に学習したことを頭に定着させるには睡眠が欠かせません(*6)。

そして睡眠不足に陥ると感情をコントロールする機能が低下し、ストレスに弱いメンタルになることもわかっています(*7)。

一流と呼ばれる人たちは、記憶が確かで、感情的にならず、ストレスに打ち克つ強い精神を持っています。

快眠効果は一流の人に必要なものばかりです。

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