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100歳まで元気!のカギを握る“フレイル”とは何か? プレフレイルの段階から予防が大切

加齢に伴って心身が衰える「フレイル」という言葉を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

超高齢社会である日本では健康寿命をいかに伸ばすかが課題とされている中、 フレイル予防という考え方が注目されています。

フレイルは進めば介護が必要な状態に至りますが、対策をすることで進行を緩めるだけでなく健康な状態に戻せるという特性があります。そのため、より早い段階である「プレフレイル」から自覚すること、そして予防することが大事なのです。

本記事ではフレイルとはどのような状態であるのか、家庭でもできるチェック方法、そして予防するためにはどうすればよいのかを解説します。

フレイルとはどのような状態か

フレイルとは英語で「虚弱・老衰・脆弱」などを意味する言葉で、健康な状態と要介護状態の中間地点のことを表しています。

人間は加齢とともに身体的・精神的に受けたダメージから立ち直る能力(予備力)が衰えていきます。自然と筋力は低下し、体力がなくなることで疲れやすく、身体・精神の活動性が低下した状態をフレイルと言います。

この状態になると外出が面倒になり、家で閉じこもって寝ているか、座って過ごすことが多くなり、さらに筋力や体力、活動性が低下する悪循環(フレイルサイクル)に陥ります。

フレイルには以下のように3つの側面があります。

歩行速度が遅くなるなど移動能力が低下したり(ロコモティブシンドローム)、筋肉が衰えたり(サルコペニア)といった身体的な面、定年退職やパートナーを失ったりすることで引き起こされる抑うつ状態や軽度の認知症の状態になる精神・心理的な面、社会とのつながりが希薄化することで生じる、孤独や経済的困窮の状態など社会的な面です。これら3つの側面は連鎖しますが、どこが連鎖の入り口になるかは、その人次第なのです。

昨今のコロナ禍では益々そのリスクが高まっています。将来的な要介護状態を防ぐためにも、フレイルになる前から生活習慣を改善すること、プレフレイルの段階で対処することが大事です。

フレイルと判断される基準

フレイルには医学的な診断基準が複数ありますが、一般的に用いられているものとして1990年代にアメリカのフリード氏によって提唱された診断基準をご紹介します。

その基準によるとフレイル状態の診断基準は次の通りです。

診断項目 基準
体重減少 6か月で2~3㎏以上の体重減少
筋力低下(握力) 男性26㎏未満、女性18㎏未満
疲労感 (2週間以内で)何もしていないのに疲れを感じる
歩行速度 歩行速度が1.0m/秒未満
身体活動 1      軽い運動または体操をしている
2      定期的に運動またはスポーツをしている
上記2つのいずれもしていない

上記の診断基準のうち、3項目以上当てはまるならフレイル、1~2項目であればプレフレイルと診断されます。

この診断基準はあくまで身体的な面だけですが、より細かく精神面でも調べる場合には細かなチェックリストも存在します。

身体面での衰え、筋力低下のことを「サルコペニア」と呼びますが、上記のチェックリスト以外にもサルコペニアを簡単に調べる方法があるのです。

それは「指輪っかテスト」というもので、自宅でも5秒程度で調べられるのでぜひ試してみてください。

やり方は次の通りです。

・両手の親指と人差し指で輪っかを作ります
・椅子などに腰かけて、利き足ではない方のふくらはぎの一番太い部分を輪っかで囲みます
・囲んでみて親指と人差し指が離れるほど、ふくらはぎが太ければサルコペニアの可能性は低くなります
・輪っかとふくらはぎの間にすき間ができるようなら、サルコペニアになっている可能性が高くなります

チェックしてみてすき間ができるようなら、これからでも運動習慣を身に付けるようにして、体力の衰えを予防しましょう。

フレイル予防にはまず生活習慣の改善

フレイルとプレフレイルの予防には、早めの生活習慣の改善が最も大事です。

生活習慣を改善するには、次のポイントに気を付けてください。

・運動習慣を取り入れる
・食生活のバランスを整える
・持病のある方は症状をコントロールする
・嚥下障害を予防するために口腔ケアを徹底する
・外出の機会を増やし、人との繋がりを大切にする

まず運動についてですが、運動は激しいものでなくても20~30分程度のウォーキングからで十分です。

屋内で椅子を利用したスクワットでも問題ないので、筋力を維持するために無理のない運動を継続してください。

フレイルの重要な要素「筋力」にはたんぱく質が重要です。活力の源である食事には、肉類や魚類を多めに摂取してたんぱく質を補いましょう。たんぱく質は筋肉を合成する原料になるので、年を取るほど多めに摂るよう心掛けてください。

持病のコントロールや口腔内を清潔に保つことも重要なポイントです。

持病の悪化は身体機能の低下、気力の低下に繋がり、口腔内の衛生環境は誤嚥性肺炎の予防に重要です。

健康に気を付けて身体の状態を安定させる生活を送りましょう。

そして最後に外出して人と会うことです。

人と会うことは気力の回復、体力の増進、認知機能の改善など良いことばかりです。自分に合った活動を見つけて積極的に社会参加をしていきましょう。

5つのポイントを心がけて、フレイル・プレフレイルを予防してください。

まとめ

自分はフレイルやプレフレイルとは無縁だとお考えの方でも、加齢に伴っていつの間にかその連鎖に陥っている可能性もあります。

フレイルは筋力低下だけでなく、気力の低下、人間関係が疎遠になることでも生じます。

まだまだ自分は若いと考えている方、家族に高齢者がいる方も元気なうちからの予防習慣が将来的なフレイル予防になるので、今一度、気に掛けてみましょう。

すでにプレフレイル・フレイルかも・・・という方も、その連鎖を止めていくことで健康な状態に近づけていくことができます。

人生100年時代をいつまでも自分らしく過ごすために、まずは取り入れやすい生活習慣の改善から「食べて、動いて、人とつながる」を楽しんで生活を送っていきましょう。

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