培養上清液とは培養するときにできる上澄み液のこと～その効果を解説

2023.05.31 その他

セントラルメディカルクラブ世田谷では0次予防医療の一環として、幹細胞培養上清液を提供しています。

あまり聞き慣れない治療法・健康法かもしれませんが、これは幹細胞を培養するときにできる上澄み液（上清液）のことです。

幹細胞は体をつくる細胞をつくる細胞で、生命の根源に関わる重要な存在ですが、培養上清液はあくまで上澄み液なので、幹細胞それ自体は含まれていません。

それでも培養上清液に健康効果や病気を治療する効果を期待できる理由を解説します。

最もわかりやすい説明

幹細胞も培養も医学用語なので、幹細胞培養上清液についての説明を難しく感じる方は少なくないと思います。そこでセントラルメディカルクラブ世田谷では、幹細胞培養上清液を次のように説明しています。

■幹細胞培養上清液とは

幹細胞は、体をつくる細胞をつくり出す細胞のことです。幹細胞は体をつくる細胞の元となるので、その働きに大きな期待が集まっています。

幹細胞には歯髄、骨髄、脂肪、臍帯などがあります。幹細胞を研究するときに、幹細胞を培養して増やします。このとき液体を使うのですが、これを培養液といいます。

上清液とは、培養液から幹細胞を取り出して滅菌処理をした上澄み液のことです。

若い人の幹細胞でつくった培養上清液には、若い人の幹細胞から出てくるエクソソームという物質が含まれます。

エクソソームは成長因子の1つで、幹細胞培養上清液を点滴などで投与すると、細胞が若返ったり損傷したDNAを修復したりする効果が期待できます。

若いときの幹細胞の能力を獲得できる、というわけです。

この説明文が、培養上清液の知識のベースになると思います。

それではより深く、幹細胞培養上清液についてみていきましょう。

培養それ自体は、研究や実験で用いられる手法にすぎません。したがって培養上清液で重要になるのは、何を培養するのか、です。

培養上清液で使われる幹細胞のうち、歯髄、脂肪、臍帯の特徴を紹介します。

歯髄、脂肪、臍帯を紹介する前に、なぜ培養が必要になるのか説明します。

歯髄、脂肪、臍帯から有効成分を取り出すことができれば、それを液体にして治療に使うことができます。しかし治療に使うには大量の歯髄、脂肪、臍帯が必要になりますが、これらはいずれもヒト由来のものなので大量に調達することは不可能です。

そこで、少量の幹細胞（歯髄、脂肪、臍帯）を培養して増やす必要があるのです。

歯髄とは歯の神経のことです。したがって歯髄は、歯の治療のときに入手することができるので安定的に供給が可能です。安定的に供給できれば、これを培養することも容易かつ効率的になります。

ただ、歯の神経の幹細胞でつくる培養上清液が全身によい効果をもたらすかどうかはまだ研究の余地があります。

人の脂肪は、美容医療などで行われる脂肪吸引によって採取することができます。

脂肪はほぼ全身に存在するので、その幹細胞でつくる培養上清液は全身への効果が期待できますが、吸引という作業によって幹細胞が損傷されてしまうことがあります。そのため脂肪の幹細胞の採取方法の確立が重要になってきます。

臍帯とはへその緒のことで、母親の胎内で、母親と赤ちゃんを結んでいた管です。そのため臍帯のなかには赤ちゃんの成長を促す物質である成長分子が豊富に含まれています。

したがって臍帯の幹細胞を使って培養上清液をつくりこれを治療に使うことは理にかなっています。そして実際に、ヒト臍帯由来培養上清液は有効成分が多いという特徴があります。

日本再生医療臨床学会によると、幹細胞培養上清液は、以前は幹細胞を増やしたあとに捨てられていました。しかし、培養上清液には幹細胞から滲み出した有効成分が含まれているのではないか、という仮説のもと研究が進み、今ではあらゆる医療現場で使われるようになりました。

また、幹細胞培養上清液は人から取り出した細胞を使っているので安全性を危惧する方もいると思いますが、その点は心配ありません。治療で使われている製品としての幹細胞培養上清液は、不純物を取り除いたあとろ過や滅菌を行い、ウイルス検査に合格したものなので、安心して治療を受けることができます。

幹細胞培養上清液は、重要な細胞である幹細胞を増やすために使った液体なので、幹細胞を取り除いた後であっても、その中に有効成分が多く含まれていることは容易に想像できます。

しかし当初の目的はあくまで幹細胞を培養すること（増やすこと）だったので、培養を終えたあとの培養液は不要物と考えられていました。

その幹細胞培養上清液を医療に活用することは、画期的な発想の転換といえるのではないでしょうか。

セントラルメディカルクラブ世田谷では、いち早く幹細胞培養上清液の有用性を確認し、現在は0次予防医療の一環として活用しています。