海外では常識?健康維持に重要な顧問医やブティック・コンシェルジュ医療サービスとは
顧問医健康維持を目的とした医療サービスといえば、健康診断や人間ドックをイメージする人は多いのではないでしょうか。健康診断は会社員であれば必ず1年に1回は受けなければならないため、日本においては原則自費で病気の早期発見を図る人間ドックが、代表的な健康維持につながる医療サービスといえるでしょう。
ただ、最近は米国を中心に「ブティック医」や「コンシェルジュ医」といった医療サービスが広がりつつあります。今回はその内容と日本でも活用されることがある「顧問医」との違いについて解説します。
ブティック・コンシェルジュ医療サービスとは
ブティック・コンシェルジュ医療サービスとは、会員制の医療のことを指します。年会費が必要ですが、体の不調を感じてから通院するという従来のプロセスだけでなく、日々の健康管理なども専門医が支援してくれるなどニーズに合わせた手厚い医療サービスを受けられることが特長です。
アメリカでは急を要するケースを除いて、病院で診察や治療を受けるためには数日前に予約しなければならないことが一般的です。一方、ブティック・コンシェルジュ医療サービスは、当日でもアポイントが取れるほか、専門医への紹介や処方箋の再発行なども効率的に行えるというメリットがあります。さらに待合室なども高級感があり、居心地の良い環境が設けられているケースが多いです。完全自由診療であるアメリカでは富裕層を中心に普及しつつあり、コンシェルジュ医療サービスに5000人を超える医師が取り組んでいるとされています。
顧問医と産業医の違い
ブティック・コンシェルジュ医療サービスは、しばしば日本では「顧問医」と称されることもありますが、顧問医は個人ではなく企業と契約を結ぶケースが一般的で、その点が大きな違いです。顧問と同じく企業に設置されることがある産業医の特徴と違いも踏まえて解説しましょう。
産業医とは
産業医とは、事業場(職場)において労働者の健康管理などを担う医師を指します。つまり、労働者の心身の健康障害の予防・増進のために活動する労働衛生の専門知識に長けたお医者さんというわけです。具体的には安全衛生委員会のメンバーとして活動するほか、職場の労働環境のチェックや面接の実施などを行っています。産業医の設置は企業の規模によって義務付けられており、設置しなければならない人数や契約内容が異なります。その概要を以下で確認してみましょう。
■選任すべき産業医の人数
・50人未満=設置義務なし
・50~3000人=1人
・3001人以上=2人
■専属の産業医の選任が必要な事業場
・499人以下=該当なし
・健康被害のリスクが大きい特定業務に常時500人従事させる事業場:1人
・1000以上の労働者を使用するすべての事業場=1~2人
顧問医とは
顧問医とは、様々な目的で企業と顧問契約を結んでいる医師のことを指します。産業医とは異なり、顧問医と契約しなければならない法的義務は存在しません。企業が顧問医を結ぶ目的としては、主に以下の3つが挙げられます。
・医療関連サービスのアドバイザー
・健康管理体制の強化
・産業医の設置義務のない企業(従業員50人未満)との契約
企業によって顧問医を活用する目的は様々ですが、産業医と顧問医のいずれも個人ではなく法人と契約し、ビジネスや従業員・役員の健康管理に役立てることが、コンシェルジュ医療サービスと大きく異なることをご理解いただけたかと思います。
注目が高まる「会員制人間ドック」とは
日本においてコンシェルジュ医療と類似しているサービスの1つが「会員制人間ドック」です。年会費を支払う料金システムや専門医による手厚いサポート、ニーズに特化した高品質な検査など、サービス内容は異なっていたとしても。その目的や一般的な人間ドックとの差別化の図り方は似ている部分は少なくありません。
例えば、会員制人間ドック「セントラルメディカルクラブ(CMC)」は、2003年に設立された会員制医療サービスです。高精度の検診が受けられることはもちろん、未病の状態から健康管理を管理して、一人ひとりに適した予防医療や医療サポートを実施しています。さらにセカンドオピニオンサービスとして、国内外のさまざまな医療機関と提携することで治療の選択肢を増やすことも可能。人間ドックの垣根を超えたQOL(より良い健康な生活)の向上に欠かせないサービスを提供しています。
このように、従来は企業と医師との関係を指すことが多かった「顧問医」もコンシェルジュ医療サービスとして、対個人の健康管理などを目的として広がりつつあります。自身の健康をより良く維持するために、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
関連ページ:会員制医療クラブのセントラルメディカルクラブ