「人間ドック」は病気の早期発見・早期治療の鍵。健康診断の違いとは?
人間ドック 検査糖尿病、がん、心臓病など、誰もが患う可能性がある病気は多種多様ですが、いずれも早期発見・早期治療が命や健康な体を守るための大切なポイントです。
早期発見・早期治療の足がかりとして重要なのが、誰もが一度は聞いたことがある「人間ドック」です。ただ、実際に人間ドックを受けたことがある人は、そう多くないのではないでしょうか。また、そもそも毎年受けている健康診断との違いも曖昧な人も少なくないはずです。
そこで今回は、人間ドックの有用性と健康診断との違いについて解説します。健康な体を維持したい人はぜひチェックしてください。
健康診断だけでは「早期発見」は不十分
人間ドックと健康診断の大きな違いの1つが「検査項目の数」です。健康診断が「一般健康診断」もしくは「特定健診」と呼ばれる基本的な内容に対し、人間ドックは専門の医療機器などを使用してより詳細な健診を行います。
■例:健康診断の検査項目(10~15項目)
・身体測定
・視力検査
・聴力検査
・胸部レントゲン検査
・血圧や心電図の検査
・血液検査
・尿検査 ほか
■例:人間ドックの検査項目(50~100項目)
・胸部X線
・胸部CT
・腹部CT
・内視鏡検査
・マンモグラフィ検査
・子宮頸がん細胞診
・脳MRI
・超音波検査 ほか
このように人間ドックでは健康診断の倍以上の検査を実施することが一般的です。これだけの違いがあることから、健康診断よりも人間ドックの方が病気を早期発見しやすく、より早く治療を行える確率が高くなることも納得いただけるのではないでしょうか。
以下では、健康診断と人間ドックについてもう少し詳しく解説します。
健康診断は法律で受診が定められている「義務」
基本的に正社員として会社に勤めていれば、年一回程度のペースで受診するのが「一般健康診断(定期健康診断)」です。実は、他にも高気圧業務など法律で定められた有害業務に従事する人向けの「特殊健康診断」もあるのですが、ここではより多く人にとって身近な一般健康診断について解説します。
一般健康診断は、会社が「常時使用する従業員」に受けさせる義務が労働安全衛生法によって定められています。常時使用する従業員とは「1年以上使用する予定かつ週の労働時間が正社員の4分の3」という定義があるので、条件を満たせばパートやアルバイトでも健康診断の対象者になる可能性があります。
その内容は前述のとおり基本的な内容が一般的ですが、40~74歳の人は「特定健康診査」という生活習慣病の早期発見や予防を目的とした健診を受けることもあります。
また、オプションでがん検診などの検査項目を追加することもできます。検査費用は会社が全額負担で、一人当たり5000~15,000円程度に設定されていることが一般的。検査項目が少ない分、人間ドックよりも低い料金で受けられます。
人間ドックは任意の検査
人間ドックは健康診断のように、法的に「会社が受診させる義務」はありません。福利厚生として会社が費用の一部を負担することもありますが、個人が自費で病気の早期発見のために任意で受診することが一般的です。
前述のとおり、健康診断と比べると圧倒的に検査項目が多いため全身を詳細に検査できます。アルツハイマーPETやCTC検査などを加えたより詳細な内容のほか、エグゼクティブ層向けの上質な空間で受診できる高級人間ドックなど、様々なプランやコースが用意されています。
また、検査結果も健康診断のように書類の送付のみではなく、医師から直接説明を受けられたり、改善点などのアドバイスをもらえることが多いのもメリットといえるでしょう。
健康保険が適用されないうえ、費用も健康診断と比べると高めになることが注意点の1つですが、検査範囲の広さは非常に魅力的。実際、日本人間ドック学会が2017年に行った実態調査によると、2016年度は992施設で計384万8183人もの人が人間ドックを受診していることが明らかになっています。
※出典:日本人間ドック学会「2016年度会員施設 実態調査報告」
人間ドックと健康診断の違い
人間ドック | 健康診断 | |
目的 | 病気の早期発見 | 労働者の健康状態の把握 |
法定義務 | なし | あり |
検査項目数 | 50項目以上 | 10~15項目 |
費用(目安) | 数万~10万円以上 | 1~3万円程度
※会社が全負担 |
健康保険の適用 | なし | あり |
検査結果の報告 | 医師からの直接の説明と改善のアドバイス | 書類の送付のみ |
検査結果の会社への共有 | 原則不要 | 必要 |
定期的な人間ドックの受診がより豊かな人生につながる
人間ドックと健康診断の違いについて解説しました。多くの人にとって健康診断はとても有用ではあるものの、病気の早期発見については「必要最低限」の項目しか検査できないことは理解しておくべきでしょう。より広い範囲を検査できる人間ドックを受診することで、未来の健康の維持・改善につなげられるほか、体の不安を解消することで現在の生活もより豊かに暮らせる可能性が高まります。
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