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人間ドックの腫瘍マーカー検査とは。再検査になったらがんの可能性があるの?

これから人間ドックを受ける方にとって、腫瘍マーカー検査を正しく理解することは大切です。腫瘍マーカー検査の目的や有効性が分かっていないと、余計な不安に苛まれるおそれがあるためです。

しかし実際には、「腫瘍マーカーの仕組み自体がよく分からない」、「受ける目的が分かっていない」というように、疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。そこで今回は腫瘍マーカー検査の内容、目的、検査結果の受け止め方、検査後に必要な対応などを解説します。

 

腫瘍マーカー検査の内容

腫瘍マーカー検査は、人間ドックの検査項目の1つで、がんの発見に有効な血液・尿検査です。体液を採取されるだけなので、受診者の負担が少ないのが特徴です。ここでは腫瘍マーカーの説明をした後、具体的な検査方法や検査項目(腫瘍マーカーの種類)を紹介します。

腫瘍マーカーとは?

腫瘍マーカーとは、体内にがん細胞などがあるときに発生する特殊なタンパク質や酵素です。がんの進行に比例して血中・尿中で増えるので、がんの指標として使われています。

ただし、悪性の腫瘍であるがん細胞だけでなく、良性腫瘍や他の疾患で出現する場合もあります。そのため、腫瘍マーカーの結果が高値でも一概にがんであるとはいえません。

腫瘍マーカー検査の方法

患者が実際に行うのは採血・採尿だけです。あとは自分が気になる疾患に合わせて、検査する腫瘍マーカーを選択、あるいは希望の検査コースを選びます。その後は分析装置によって体液の成分が測定され、検査結果が本人の元に返ります。

検査項目(腫瘍マーカーの種類)

腫瘍マーカーは50種類前後です。そのなかには、様々な種類のがんによって数値が上昇するものもあれば、特定のがんにだけ反応するものもあります。今回は代表的な腫瘍マーカーを紹介します。

なお、実施機関によっては「男性用」・「女性用」のように、用途に合わせた検査コースが用意されているので、自分にあったものを選択しましょう。

代表的な腫瘍マーカー

CEA(男女共通)

肺がん、大腸がん、乳がん、胃がん、膵臓がん、甲状腺がんなどで上昇するのが特徴です。一方で、喫煙・老化などの諸要因でも上昇します。

CA19-9(男女共通)

消化器系のがんで上昇する腫瘍マーカーです。特に膵臓がん、胆道がんなどに特異性を持っています。ただし、糖尿病などの別の疾患で高い値になることもあります。また、日本人の約10%はがんでもCA19-9が発生しない体質なので、注意が必要です。

PSA(男性特有)

前立腺がんを早期発見するのに貢献する腫瘍マーカーです。PSAはがんによって前立腺の組織が壊れたときに、血中で増えることが分かっています。ただし、良性前立腺肥大症や急性前立腺炎などの、がん以外の前立腺の病気に反応して値が上昇することもあります。

CA-125(女性特有)

婦人科領域のがんに使われる腫瘍マーカーで、特に卵巣がんで高い値を示します。生理・妊娠・女性ホルモンを含む薬剤の服用などでも値が増加します。

※出典:国立研究開発法人国立がん研究センター「腫瘍マーカー検査とは」

 

腫瘍マーカー検査の目的

腫瘍マーカー検査の目的は、がん診断のサポートや、既に診断が出た方のがん進行度・治療効果を測定することです。注意すべきは、人間ドックにおける腫瘍マーカー検査が、診断の「補助手段」に留まるということです。

ここまで説明したように、腫瘍マーカーはがん以外の諸要因で高値になることがありますし、反対にがんがあっても反応しない場合もあります。つまり、がんの検査として万能ではありません。実際のがんの有無や位置は、画像検査などの他の検査と組み合わせて医師が判断します。

※出典:公益社団法人 信和会「腫瘍マーカーについて」

※出典:社団医療法人 呉羽会「腫瘍マーカー検査測定のご案内」

 

腫瘍マーカー検査の結果とその後の対応

腫瘍マーカー検査の結果は1週間ぐらいで出ます。腫瘍マーカー検査はあくまでがん診断の補助手段であり、数値の良し悪しだけでがんの有無は判断できません。しかし、結果次第では精密検査が推奨されることもあります。

まずは医療機関に相談し、精密検査の要否を医師に判断してもらいましょう。また、何らかの治療や内服が必要な場合には、医師から治療の説明を受けたり専門機関を紹介されたりすることがあります。

 

腫瘍マーカーに反応しないがんに要注意

腫瘍マーカーの値がゼロだと安心という訳ではありません。例えば本人の体質(※)によって、がんが存在しても腫瘍マーカーが上昇しないことがあるからです。

※例として、日本人の約10%はがんが存在してもCA19-9が作られない。

また、そもそも早期がんは腫瘍マーカー検査だけで発見することが難しいといわれています。だからこそ胃カメラや大腸カメラなどの負担の大きい検査が必要なのです。このような実状がありますので、人間ドックの実施施設によっては、他のスクリーニング検査で異常があった場合のみ腫瘍マーカー検査を推奨することがあります。

 

腫瘍マーカー検査と他検査の組み合わせで健やかな生活を

今回は腫瘍マーカー検査について簡単に解説しました。腫瘍マーカーは体内にがん細胞などがあると発生する特殊な物質で、それを検知するのが腫瘍マーカー検査です。単体でがん診断ができるものではないので、他の検査と組み合わせて診断に活用したり、がん治療の進捗を確認したりする目的で使われます。

人間ドックで行われる腫瘍マーカー検査に関しては、国が推奨するがん検診にも含まれませんので、「がんの早期発見」に対して必ずしも効果的ではありません。いずれにしても医師の判断材料の1つですので、腫瘍マーカーの検査結果だけで安心したり不安を感じたりする必要はないでしょう。

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