最近良く聞くかかりつけ医ってなに?顧問医・産業医との違いとは
顧問医普段、私たちを診療してくれる医師には立場や役割によって様々な種類があります。そのなかでも、私たちの身近な医師ではあるものの実は理解されていないことが多いのが「かかりつけ医」ではないでしょうか。「かかりつけ医を持つべき」という情報を誰もが一度は耳にしたことがある一方、具体的にどのような医師なのかイメージできない人も少なくないと考えられます。
そこで今回は、かかりつけ医の特徴と稀に混同されやすい顧問医や産業医との違いについて解説します。自身の身の回りに該当する医師がいるのか、もしくはどのようなケースで頼ったり、相談すべきなのかなどを考えながら確認してみましょう。
かかりつけ医とは
実は、かかりつけ医に明確な定義はありません。一般的には日本医師会が明示している「健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師」のことを指すことが多いです。
つまり、「何か体調が悪いな」と感じたときにまず相談できる医師のことであり、病院・診療所・診療科の種類などは関係ないということを覚えておきましょう。そのうえで、かかりつけ医は以下のようなサービスや活動を行っていることが一般的です。
1.健康診断・健康相談の実施
定期的な健康診断や予防注射、生活習慣病の慢性的な病気の診察の継続実施など。またそれぞれの相談や指導、健康管理などのアドバイスを行ってくれる。
2.他の医療機関への紹介・連携
高度な専門的な設備を使った治療や検査、他の診療科での診察などが必要になった際に適切な医療機関に紹介してくれる。
3.介護保険の主治医意見書
介護保険が必要になった際に、主治医意見書を作成。地域の介護認定審査会で介護の必要性やその段階について話し合う。
4.認知症の早期診断と支援
認知症の早期診断を行うことで、治療が困難な病気の進行の遅延、患者本人や介護の負担軽減するために介護保険の相談や専門医、ケアマネジャーなどと連携する。
5.地域活動
地域の保育園や幼稚園の「園医」や「学校医」、そして労働者の健康管理を行う「産業医」として活動することもある。
かかりつけ医が注目される背景
少子高齢化による医療費の増加が課題とされており、その解決のために「医療機関の役割分担」が進められています。大規模な病院と小さな病院の役割を明確にして、医療の効率化を図ることが目的であり、かかりつけ医は最初の外来の窓口や一般的な治療を担うことが期待されています。かかりつけ医で治療が難しいケースは、大規模な病院に紹介して専門的な治療を行い、病状が安定したらかかりつけ医が患者を担当するという仕組みを構築できれば、大規模な病院は専門的な治療に集中しやすい環境が構築できます。かかりつけ医を持つことを推奨される要因は、このような社会的な事情も大きく影響しているのです。
かかりつけ医を選ぶポイント
かかりつけ医を選ぶポイントで最も大切なのは、医師との信頼関係です。それに加えて通院のしやすさなどの環境的な要因も考えられます。人同士の相性もあるので、診察や会話のなかで以下のポイントを抑えられる医師を選ぶことが大切です。
・話をしっかりと聞いてくれる
・気軽に相談しやすい
・病気や治療、薬について分かりやすく教えてくれる
・納得できる説明をしてくれる
・専門医を紹介してくれる(連携している医療機関が多い)
顧問医・産業医とかかりつけ医の違い
産業医は常時50人以上の労働者を使用する企業に設置することが義務付けられている、労働衛生の専門的な知識を有した医師のことです。顧問医は産業医と異なり、法律で設置が義務付けてはいないものの、アドバイザーなどのサービスの監修などを行う医師のことです。どちらも企業と医師が契約することが多いですが、最近では会員制医療サービスとして個人の健康管理などを行う顧問医も登場しています。前述のとおり、かかりつけ医と顧問医・産業医を兼任するケースもあるので、医師の役割や立場によって呼称が変わることを覚えておきましょう。
かかりつけ医は健康相談の窓口となる
かかりつけ医の概要と顧問医・産業医との違いについて解説しました。かかりつけ医を持つことは医療不足の解消につながるだけでなく、気軽に自分の体調について相談でき向き合える環境を構築できるので病気の早期発見や早期治療などにも期待できます。かかりつけ医と連携を強化するとともに、セントラルメディカルクラブのような会員制人間ドックの活用も検討しながら自身の健康をより良く、継続させるよう取り組んでみてはいかがでしょうか。