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膵臓がんを発見する精密検査について分かりやすく解説

膵臓がんを発見する精密検査について分かりやすく解説

膵臓がんは、発見されたときには多くのケースでかなり進行しており、治療経過が非常に低いがんとして知られています。膵臓がんの大きさがごく小さいうちに発見できれば、5年生存率は良好であるため、早期発見することが重要です。

今回は膵臓がんを早期発見するための精密検査について、検査内容や費用などを分かりやすく解説します。ほかにも精密検査を受けた方がよい人についても解説しますので、ぜひ最後までチェックしてください。

膵臓がんとは

膵臓がんとは

膵臓がんは膵臓に発生した腫瘍ががん化したもので、進行が早い・発見しにくい・転移しやすいなどの特徴があります。

膵臓がんについて概要や種類・リスク要因を確認しましょう。

膵臓がんの概要

日本における臓器別がんの死亡者数で、膵臓がんは肺がん・大腸がん・胃がんに次いで第4位です。

罹患者率は、50歳代から年齢を重ねるとともに増加していきます。

膵臓がんでよくみられる症状には、腹痛・背中の痛み・黄疸・体重減少・糖尿病の急な悪化があります。

しかし膵臓がんの早期では自覚症状がそれほどあらわれないため、がんが発見されたときには病状が進行していることが多いのです。

膵臓がんの5年生存率は12.7%と臓器別がんのなかでもっとも低く、治療成績が非常に悪いがんとされています。

膵臓がんの種類

膵臓がんは、性質から主に以下の3つに分けられます。

  • ●膵管がん
  • ●腺房細胞がん
  • ●膵神経内分泌腫瘍

膵臓がんのうち、膵液が流れる膵管から発生する膵管がんが約90%を占めています。腺房細胞がんは、消化酵素を作る腺房細胞から起こるがんで、発生するのは比較的まれです。膵神経内分泌腫瘍は、血糖値をコントロールするホルモンを分泌するランゲルハンス島に起こるがんで、発生する割合は膵臓がんのうち2~3%になります。

膵臓がんのリスク因子

リスク要因は、家族歴と生活習慣に大きくわけられます。

家族歴では、両親や兄弟に膵臓がんにかかった人が2人以上いる場合、膵臓がんの発症リスクが6.4倍~32倍になります。

生活習慣がかかわるものに、糖尿病・肥満・多量の飲酒があります。

2型糖尿病患者が膵臓がんを発症するリスクは、健康な人と比べて1.7倍~1.9倍です。急激に糖尿病が悪化したり、新たに糖尿病と診断されたりしたときに膵臓がんが見つかることがあります。

肥満の程度を示すBMI値が35以上になると、膵臓がんのリスクがあがります。男性ではBMI値35以上で発症リスクが1.5倍、女性はBMI値40以上で2.8倍になります。

多量の飲酒が問題になるのは、膵臓がんの発症にかかわる慢性膵炎を引き起こすことです。慢性膵炎の患者が膵臓がんを発症するリスクは、13.3倍~16.2倍というデータがあります。

膵臓がんの精密検査とは

膵臓がんの精密検査とは

膵臓がんは発見したときには進行していることが多く、おこなえる治療が限られてしまうため、早期発見することが大切です。

早期発見につながる検査や、精密検査を受けるまでの流れについてみていきましょう。

早期発見が重要なのはなぜ?

膵臓がんは以下の理由から、早期発見が非常に難しいがんだといわれています。

  • ●膵臓がんの早期のうちは自覚症状がほとんどあらわれない
  • ●膵臓が体の深い場所にあり、ほかの臓器に隠れているため、膵臓がんの発見が遅れやすい
  • ●膵臓がんは、ほかのがんと比べて成長するスピードが早い
  • ●膵臓の周りにはほかの臓器が集中しており、がんが広がりやすい
  • ●膵臓が主要な血管が近くにあるため、がんが血管に到達すると血液の流れに乗って遠くの臓器に転移しやすい

そのため膵臓がんが発見されたときには、病状がかなり進行していることが多いのです。

膵臓がんでは、がんがほかの臓器まで到達したり転移したりすると手術がおこなえず、治療方法の選択肢が少なくなります。膵臓がんはステージが進むほど5年生存率が低下し、手術がおこなえないステージⅢ以上では一桁台と極端に低くなるのです。

しかし、がんの大きさが1cm以下の早いうちに発見できると、5年生存率が約80%というデータがあり、長い間良好な経過をたどります。膵臓がんを早期発見できることが、治療成績向上の大きな鍵を握っているのです。

早期発見につながるスクリーニング検査とは?

膵臓がんの精密検査をおこなう前に、かかりつけ医や検診で手軽に受けられるスクリーニング検査があります。それぞれについて詳しく解説します。

血液検査

血液検査では、膵臓から分泌される酵素や腫瘍マーカーの値を調べます。

膵臓の酵素にはアミラーゼやエラスターゼがあり、膵臓がんが発生して膵臓の細胞が破壊されると値が上昇します。アミラーゼやエラスターゼの値は膵炎でも上昇がみられるため、膵酵素の値のみでがんであるかどうかの判断はできません。

膵臓がんの腫瘍マーカーは、がん細胞が作り出す特殊なタンパク質で、CA19-9やCEAなど複数あります。腫瘍マーカー値が高値になるとがんが疑われますが、がんがあってもごく早期のうちは値が上昇しないこともあります。ほかの検査結果と合わせて判断することが必要です。

腹部超音波検査

腹部超音波検査とは、超音波を出す機械(プローブ)をお腹にあてて、反射した信号を画像化したものです。患者さんへの負担が少なく、比較的簡単に検査ができます。

超音波検査では、腫瘍があるかどうか、膵管が広がっているかどうかなど、膵臓全体の様子を調べることが可能です。体の構造上、消化管のガスや脂肪の厚みによって、膵臓の様子を超音波検査で正しく映し出せないことがあります。

膵臓がんを発見するまでの精密検査の基本的な流れ

はじめに、かかりつけ医や検診などで血液検査・腹部超音波検査をおこない、膵臓に異常があるかどうかを確認します。検査結果に異常がみられ、自覚症状やリスク因子がある場合に精密検査がおこなわれるのです。

精密検査では、腹部CT検査やMRCP検査でより精度の高い画像診断をおこない、膵臓がんなのか、ほかの膵臓の病気なのかを調べます。

ここまでの検査でがんが強く疑われる場合に、超音波内視鏡(EUS)や内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)をおこない、膵臓や周りの臓器の様子を観察しながら、病変部位の組織を採取します。

最終的には採取した組織の病理検査をおこない、膵臓がんの確定診断をおこなうのです。

膵臓がん精密検査の種類

膵臓がん精密検査の種類

膵臓がんでおこなわれる精密検査について、ひとつずつ詳しくみていきましょう。

CT検査

CT検査はエックス線を用いて体の断面図を撮影したもので、病変の位置や大きさを調べられます。がん病変が見つかった場合、ほかの臓器にがんが広がっていないかどうかも確認可能です。

点滴による造影剤を併用すると、膵臓のみならず、隣り合う臓器や血管の様子をより詳しく調べられます。CT検査の合併症には、造影剤を使用した際のアレルギー症状があります。

MRCP検査

MRCP検査は、磁石と電磁波を用いて体の断面図を撮影し、膵臓がんが発生しやすい膵管と胆のう・胆管を同時に調べます。膵臓がんは早期から膵管の狭窄と拡張がみられますが、MRCP検査には膵管の病変を映し出しやすい特長があるのです。

MRCP検査はCT検査より時間がかかってしまいますが、内視鏡を使用しないため患者さんの負担が少なく、検査による放射線被ばくがありません。MRCP検査においては飲むタイプの造影剤を用いると、より詳しい検査が可能です。造影剤を使用すると、副作用で下痢・軟便が起こることがあります。

超音波内視鏡(EUS)

超音波内視鏡(EUS)は、超音波装置をつけた内視鏡を用いる検査です。内視鏡を胃まで挿入し、胃壁から超音波をあてて胃の奥にある膵臓の様子を観察します。お腹の上からおこなう超音波検査よりも膵臓から近い場所で観察できるため、さらに詳しい画像を得られます。

ほかの画像診断では小さながんの発見が難しいのですが、超音波内視鏡(EUS)では大きさが1cm以内の小さな膵臓がんでも映し出すことができ、発見率が85%以上と高率です。

検査で腫瘍がみられた場合は、超音波内視鏡に付属している針を用いて直接組織を採取できます。超音波内視鏡の合併症に、出血・穿孔・膵炎がありますが、発生頻度は1%以下とまれです。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)

内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)では、十二指腸まで挿入した内視鏡の先から膵管に造影剤を注入し、エックス線を用いて胆管や膵管を直接観察します。ERCPと同時に、膵液や病変部分の組織を採取することも可能です。

ERCPは、ほかの検査で確定診断ができなかったケースに行う最終的な精密検査となります。ERCPでは造影剤を膵臓に直接注入することで、合併症の膵炎を引き起こすことがあるため、検査は入院下でおこないます。

病理診断

病理診断では、超音波内視鏡(EUS)や内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)で採取した組織や膵液を顕微鏡で詳しく調べます。がんであるかどうかの確定診断に加えて、がん組織の種類や特徴を調べて、薬物療法で効果的な薬剤を選択する際にも利用されています。

どのようなときに膵臓がんの精密検査を受けた方が良いか?

どのようなときに膵臓がんの精密検査を受けた方が良いか?

以下の条件にひとつでもあてはまる場合は、早期の膵臓がんがみつかる可能性があるため精密検査を受けましょう。

  • ●血液検査で膵酵素や腫瘍マーカーの値が高い
  • ●腹部超音波検査で、膵管の拡張や膵のう胞がみられる
  • ●家族に膵がんにかかった人がいる
  • ●背中やお腹に痛みがある
  • ●皮膚や白目が黄色くなっている
  • ●原因のわからない体重減少がある
  • ●糖尿病の症状が悪化している
  • ●慢性膵炎の持病がある

膵臓がん精密検査の費用と時間

膵臓がん精密検査の費用と時間

膵臓がんの精密検査にかかる費用の相場と時間について詳しくみていきましょう。

精密検査の費用

検査費用は医療機関によって差があります。自覚症状がみられたときなど、医師が必要と認めた場合は保険適用で検査を受けられます。

血液検査 一般的な血液検査で項目数により3,000~10,000円
腫瘍マーカーは1種類ごとに2,000~3,000円
腹部超音波検査 5,000~6,000円
CT検査 造影剤なし:17,000~24,000円
造影剤あり:27,000~34,000円
MRCP検査 20,000~34,000円
超音波内視鏡(EUS) 内視鏡検査のみ:25,000~30,000円
組織採取あり:48,000~57,000円
組織採取する場合は、入院費用も追加される
内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP) 造影検査のみ:約20,000円
組織採取あり:24,000~34,000円
検査費用のほかに入院費用が追加される

精密検査にかかる時間

精密検査をおこなうときにかかる時間と、検査時に注意する点を下表にまとめました。

腹部超音波検査 約10分
CT検査 造影剤を使用しない場合:5~10分
造影剤を使用する場合:10~20分
検査の数時間前から食事を控える必要あり
MRCP検査 検査時間は20~30分
検査の5~6時間前から食事を控える必要あり
超音波内視鏡(EUS) 内視鏡検査のみ:30分程度
日帰りでおこなえるが、麻酔を使用するため検査当日は車の運転はできない組織採取がある場合:30~60分
組織採取がある場合は、数日間の入院が必要となる可能性あり
内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP) 検査時間は30~60分
造影剤による膵炎の合併症が起こる可能性があるため、数日間の入院が必要

まとめ

早期発見するためのスクリーニング検査には、血液検査や腹部超音波検査があります

膵臓がんは、5年生存率が臓器別がんのなかでもっとも低いがんです。膵臓がんは進行が早い・転移しやすい・早期の自覚症状が乏しいという特徴があるため、がんであることが判明したときには病状が進行しているケースが多くみられます。しかし、がんの大きさが1cm以下で発見できた際の5年生存率は約80%であるため、良好な治療経過には早期発見できることが不可欠です。

早期発見するためのスクリーニング検査には、血液検査や腹部超音波検査があります。この検査結果に異常がみられて、自覚症状やリスク因子がある場合は精密検査をおこないます。精密検査では、精度の高い画像診断と、細胞や組織の病理診断をおこない、がんであるかどうか確定診断するのです。

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