セカンドオピニオンで「何が得られるのか」「どう受けるか」の方法とは
セカンドオピニオンとは、患者さんが主治医以外の医師に、病気の見解を尋ねる医療サービスで、「第2の意見」という意味です。
これまで医療の目覚ましい進歩から医療は細分化され、専門性が確立されました。みなさんにとって大切な治療方法においても同様です。また、これらを補う医療情報や新薬や文献など到底1人の医師が医療のすべてを把握することは事実上不可能となっています。
そのため、複数の医師の意見を聞いて治療法を選択できるセカンドオピニオンは、合理的かつ効率的な医療の実現には欠かせなくなっています。
また、大切な自身の問題ですから、主治医の意見と併せて他の医師の意見についても求めていくべきでしょう。
この記事では、患者さんがセカンドオピニオンで得られるものを解説したうえで、セカンドオピニオンを受ける方法を紹介します。
納得して治療を受けるため
患者さんが、セカンドオピニオンから得ることができる最大のメリットは、納得できる治療でしょう。
例えば、ある患者さんが、主治医からaという治療法を提案され、別の医師にセカンドオピニオンを求めたところ、その医師も治療aに賛同したら、患者さんは「治療aなら間違いなさそうだ」と納得できます。
治療法に納得できると、患者さんに、積極的にその治療を受けようという気持ちが生まれます。
そしてセカンドオピニオンには、納得以外の効能もあります。
別の治療法を知ることができる
新しい医療器具や新薬が開発されたことで、1つの病気に対する治療法は増えました。これまで手術が必要だったものが薬で治るようになったり、入院が必要だったものが外来受診で済むようになったりしています。
たとえば主治医が患者さんに、2つの治療法を提示したとします。しかしあなたが、そのどちらの治療も受けたくない場合、「第3の治療法はないのか」と考えたくなります。
そのときセカンドオピニオンを受けると、その医師が第3の治療法を提案してくれるかもしれません。
仮に咽頭がんが見つかったとしましょう。そして主治医からは手術による全摘出と抗がん剤治療を提示されたとします。そしてさらに場合によっては声帯も切除すると説明された場合、あなたはどう思いますか?
声帯をとるともちろんですが声が出なくなります。生活の質が大きく低下してしまうことは避けられません。
このような際に第3の治療法を相談したいと思われるでしょう。
セカンドオピニオンでは放射線治療や保険診療外の薬物治療やもっと情報が得られるような検査を説明してくれるはずです。
主治医と違う視点で意見をもらえる
セカンドオピニオンの医師が、主治医とまったく同じ見解を示すことは珍しくありません。
通常、わたしたちは保険診療という枠内で検査や治療を受けます。この病気にはこの検査とこの治療薬といったように決められているのです。
したがって同じ診療科の医師にセカンドオピニオンを求めても同じ見解が戻ってくることが多いでしょう。
では、新しい意見が聞きたいというようなセカンドオピニオンの場合にはどんな医師へ相談すればいいのでしょうか。
まずアメリカではドクターズドクターと言って医師の先生と呼ばれる存在がいます。どんな科目の医師だと思いますか?
放射線科専門医です。
放射線科専門医は全身をみることができる存在です。さらに自由診療の情報に詳しければ、主治医とは異なる視点で治療法を選択してくれるでしょう。
病気と治療に詳しくなることができる
セカンドオピニオンを求める患者さんは、自分の病気と真剣に向き合い、病気や治療についてしっかり勉強する人が多い傾向にあります。
そして、セカンドオピニオンを求めれば、その患者さんは、主治医とセカンドオピニオンの医師の2人から専門的な見解を聞くことができます。患者さんはますます病気と治療について詳しくなるでしょう。
主治医の力量や度量がわかる
セカンドオピニオンの医師は、主治医の治療方針を否定的に考えるかもしれません。もしくは、セカンドオピニオンの医師が、主治医が提案する治療法より治療成績がよく、患者さんの体への負担が少ない治療法を提案するかもしれません。
セカンドオピニオンによって、主治医の力量がわかることがあります。
また、最近はかなり減りましたが、かつては、患者さんが主治医に「セカンドオピニオンを受けたい」と告げると、「自分の医療を信じないのか」と言わんばかりに露骨に嫌な顔をされることもありました。
そのような態度は正しいとは言い難いでしょう。
患者さんの立場になって考えることができる医師は、治療方針を伝えたときに患者さんが不安な顔をしたら、「セカンドオピニオンを受けてみますか」と提案するでしょう。
受け方:主治医に「セカンドオピニオンを受けたい」と伝える
セカンドオピニオンを受ける方法は簡単です。主治医に「セカンドオピニオンを受けたい」と伝えるだけです。
患者さんに、セカンドオピニオンを受けたい医師がいれば、その名前を主治医に伝えてください。主治医は紹介状と診療情報を作成して、患者さんに渡してくれます。
患者さんに意中の医師がいない場合は、主治医にセカンドオピニオンの医師を推薦してもらうこともできます。患者さんが主治医に「先生が最も信頼できるお医者さんにセカンドオピニオンをいただきたい」といえば、やはり紹介状と診断情報を作成してくれます。
紹介状と診断情報を手に入れたら、セカンドオピニオンの医師がいる医療機関に受診します。
セカンドオピニオンのあとは、主治医と相談をし、別の治療法を選択するか決める
セカンドオピニオンの医師が、主治医の治療を強く支持すれば、もう一度主治医のところに戻って治療を継続することになるでしょう。
セカンドオピニオンの医師が主治医と異なる見解を示したら、主治医と相談をし、セカンドオピニオンの医師に治療をお願いするかを選択することになります。
もしくは、さらに別の医師にサードオピニオンを聞くことも可能です。
この対応はケースバイケースになります。
注意点:ファーストあってのセカンド
セカンドオピニオンを受けるときの注意点は、ファーストオピニオン(主治医の見解)をしっかり理解することです。
直感や感覚で「主治医の治療方針が納得できない」と判断しないようにしてください。セカンドオピニオンを受けたいと思ったら、まずは、自分がなぜファーストオピニオンをすんなり受け入れることができないのか、考えてみてください。
主治医の説明でわからない部分があったら、しっかり質問しましょう。看護師に尋ねてもよいでしょう。
ファーストオピニオンをしっかり理解したうえでセカンドオピニオンを受けないと、結局どちらの治療が自分にマッチしているのかわからなくなります。
セカンドオピニオンが、新たな混乱の種にならないようにしてください。
まとめ~可能性を広げる
私たちCMCでは、患者さんに積極的にセカンドオピニオンをおすすめしています。
そのため当院は、国内外のさまざまな医療機関と提携し、当院の会員様にセカンドオピニオンを提供してもらっています。
セカンドオピニオンは治療の選択肢を広め、治療への納得度を高めます。また、セカンドオピニオンは、最先端の医療を受けるチャンスも広げるでしょう。