暑がりと寒がりは何が原因? 知っておくべき対策とは
未病夏の暑がり、冬の寒がりなど季節による気温の変化が苦手な方も多いです。
夏は暑いから「暑がり」で、冬は寒いから「寒がり」だと思うかもしれません。
しかし、実は気温の変化が苦手なのは体質だけではなく、生活習慣や内分泌の問題の可能性もあります。
普段から運動をしているかどうかも関係するため、原因がわかれば対策もできるようになります。
本記事では暑がりと寒がりの原因を解説し、対策とともに紹介します。
普段から暑がりの人、寒がりの人は本記事を参考に、対策を行ってみてください。
暑がりの原因
暑がりの人は夏だけでなく、日頃から汗をかきやすく、人よりも体温が高い人が多いとされます。
暑がりの人には次のような原因が考えられます。
- 筋肉量が多い
- 太っている
- ホルモンバランスの変化
人の身体は筋肉量が多いほど基礎代謝量が多くなり、筋肉の消費するエネルギー量に伴い脂肪も燃焼し、体温も高くなります。
そのため筋肉量の多い人は体温が高くなりやすく、暑がりの人が多いとされます。
男性に寒がりよりも暑がりが多いのは、筋肉量が多く、女性に比べると体温が上がりやすいためです。
また、太っている人にも暑がりの人が多いことは、割とよく知られています。
太っている人が、筋肉量が多くなくても暑がりなのには理由があります。
人間の身体は中心部ほど体温が高く、熱がとどまると外に放出しようとする働きがあります。しかし、太っている人には皮下脂肪が多く、脂肪は熱伝導の効率が悪いため熱を上手く放出できません。そのため季節を問わず汗をかき、暑がりになりやすいのです。
もう1つの原因としては、ホルモンバランスの変化も考えられます。
暑がりの原因となるホルモンとは甲状腺ホルモンの増加です。
甲状腺とは首の前方、男性ならのど仏の下にある内分泌器官です。
何らかの問題で甲状腺ホルモンの分泌が増加すると、心拍数増加、血圧の上昇に加え、発汗などの症状も現れます。
甲状腺の異常の場合は専門の治療が必要なので、内分泌の専門がある外来への受診がおすすめです。
寒がりの原因
逆に寒がりの原因は何があるでしょうか。
寒がりの原因は暑がりよりも多様で、以下のような原因が考えられます。
- 筋肉量の減少
- 太っている
- ホルモンバランスの変化
- 血行不良
- ストレス
筋肉量が少なくなると基礎代謝量が落ち、基礎代謝による発熱も少なくなるため、寒がりになる傾向があります。
筋肉量の減少は運動不足だけでなく、加齢による影響も大きいため、日頃から有酸素運動や筋トレなどで筋力を維持しましょう。
また、太っている人は熱の放射が悪いため、暑がりになるだけでなく、寒がりにもなりやすいです。
その理由は寒さを感じるのは皮膚表面であり、身体の中心部の熱が皮膚表面に伝わる時間が遅いからです。
つまり、脂肪が多いと身体の熱の伝導率が悪いため、暑さにも寒さにも弱い体質になるということです。
ホルモンバランスの変化は暑さだけでなく、寒さにも働くことがあります。
甲状腺ホルモンは体温調節にも関わる自律神経に関係しますが、甲状腺ホルモンが減少すると体温低下や倦怠感を引き起こします。
この場合も内分泌の専門病院への受診が必要です。
血行の不良やストレスも身体の冷えに繋がり、寒がりの原因となります。
血行が悪い人は末梢血管の血流も悪くなり、皮膚表面の血流も悪く、体温が低くなってしまいます。
ストレスも自律神経のバランスを崩し、血流を悪くする原因となるため、寒がりの人は注意が必要です。
気温変化に慣れるための対策
暑がり・寒がりへの対策には色々なものがあります。
今回紹介するのは大きく2つです。
- ウォーキングなどの有酸素運動
- 入浴
それぞれ具体的に見ていきましょう。
ウォーキングなどの有酸素運動
ウォーキングやスイミング、自転車などの全身運動では、血流を改善し、筋肉量も増加できます。
そのため気温の変化にも対応しやすい体を作るには、全身を使う有酸素運動を行うのが効果的です。
仕事や家事などで習慣的に運動するのが難しい場合には、通勤で歩く機会を増やす、ちょっとした買い物には自転車を利用することでも効果が期待できます。
日頃の習慣に有酸素運動を取り入れることで、筋肉量と血流を増加させ、気温の変化に強い体を作ることができます。
理想は週3〜4回30分以上の有酸素運動を行うことですが、体力には個人差があるので無理のない範囲で行うことが大切です。
入浴
特に冷え性の方には入浴を意識することが効果的です。
美容面では半身浴が良いとされますが、寒い時期に関してはしっかりと首元までお湯につかるのが良いでしょう。
温度は41〜42℃のやや暑めのお湯で、全身をしっかりと温めるようにしてください。
入浴時は身体を洗う前に一度湯船で5分程度身体を温め、それから身体や髪を洗います。
その後は再度5〜10分程度身体の芯までしっかりと温めてください。
大事なことは身体を温め、手足の末梢血管まで温めることです。
しっかり温めることで身体の中心まで熱が伝わり、皮膚表面にも熱が伝わり、冷え性の対策にもなります。
ただし、一度に長時間入浴すると、発汗によりかえって身体が冷えるので適度な時間におさめましょう。
まとめ
暑がりと寒がりの原因と対策について紹介しました。
気温の変化が苦手になるのは、日頃からの運動習慣やホルモンバランスの影響が大きいことがお分かりいただけたでしょうか。
運動はもちろん、ストレスを溜めない生活、太らない食生活などに気をつけましょう。
日常生活では普段より動く習慣を意識的に作ることで、筋肉量を増やして体温を維持する努力が必要です。
寒さが苦手な人は入浴法も試してみてください。
暑がり、寒がりを体質だからと諦めず、日頃の生活を意識して体質を変える習慣を身に付けましょう。