経営者の人間ドックは経費で落ちるのか?解説
企業の経営者は健康であることが求められます。体力的にはもちろん、正常な判断を下せる状態でなければ企業は立ち行きません。企業の経営者が健康を害すると、企業活動に影響が出ることは避けられず、もしも突然の病気で経営者が交代という事態にでもなれば、甚大な損失をもたらすことにもなりかねません。
そのため、企業の経営者が定期的に人間ドックを受けることはとても大切です。毎年人間ドックを受け、小さな病気の予兆を見逃さないことで企業経営の安定を図ることができます。
この記事では、一般的な健康診断よりも高額な人間ドックが経営者に必要な理由、さらに人間ドックを事業経費として計上できるのかについて解説しました。
人間ドックが経営者の健康管理に必要な理由
企業の経営者が健康であることは重要なことです。企業の代表である経営者が健康を損なうと、企業全体に対する影響は免れられません。突然の病気は企業全体に混乱をもたらし、大きな損失となることがあります。中小の企業では企業の存続そのものが危うくなることさえあるのです。
そのため、企業の経営者である方は日ごろから健康維持のためにさまざまな努力を重ねていることでしょう。中でも、定期的な健康診断、特に全身を精査する人間ドックに対する関心が高まっています。
経営者に必要な人間ドックの診療項目
経営者であれば「脳卒中」「心疾患」「がん」の3大疾病については必ず受けておきたいものです。人間ドックは一般的な健康診断より受診項目が多くなっています。一般的な健康診断では5~10項目ほどの検診を受けますが、人間ドックでは50~100項目の検診を受けることが通常です。
しかしながら、すべての検査項目が必要な検査であるというわけではありません。年齢や性別によって自分で受ける項目を選ぶことが可能です。
人間ドックは法令で定められたものではありませんが、健康診断では発見できないような段階での疾患を早期発見するために、企業の経営者は人間ドックを毎年受けるようにしましょう。
経営者にとっての人間ドックの早期発見・予防効果
企業は、法令によって全従業員に健康診断を受診させることが義務付けられています。人間ドックが健康診断と違うのは検査項目の多さです。健康診断よりさらに詳しく検査をおこなうもので、健康診断では発見できない病気の、早い段階での発見、治療開始が可能です。
人間ドックでは胃カメラ、腹部超音波、CT、脳MRI検査、マンモグラフィーなどの項目があります。経営者として欠かせない健康を保つために、未病での発見、重大な疾患の予防を目的としている人間ドックを積極的に利用しましょう。
人間ドックの経費計上の注意点
人間ドックを事業経費に計上できるのかどうかは気になるところでしょう。国税庁の通達によれば人間ドックを給与ではなく、福利厚生費として経費に計上できるとあります。
人間ドックを「福利厚生費」として経費に計上することは可能ですが、そのためにはいくつかの条件があります。ここからは、その条件について詳しく見ていきましょう。
経費計上の対象
まず、人間ドックを事業経費に計上できるのは、受診対象者が会社の従業員全員の場合です。正社員だけでなく、パートやアルバイトも従業員として健康診断を受けることが義務付けられています。そのため、全員に人間ドックの受診機会が与えられるのであれば経費として計上することが可能です。ただし、一般的な健康診断と違い人間ドックは高額であるため、一部の人だけが受ける場合は経費として認められず、役員賞与として課税されます。
経費計上の範囲
年齢によっては検査が必要でない項目もあります。その場合、年齢で区切ったとしてもその対象となる年齢の人たちすべてが検査を受ける場合は、経費として計上することが可能です。例えば、マンモグラフィは一般的に40代以上の方が対象になります。そのため、マンモグラフィを含むレディースドックを、40代以上の社員に限って受診可能とした場合にも、費用は福利厚生費として計上することができます。
経費計上の条件
「従業員すべてが対象である」ことに加えて、健診にかかった費用を会社が医療機関に一括して支払わなければ経費として認められません。会社が従業員に健診費用を給付し、従業員から医療機関に費用が支払われるような場合には経費として認められないため注意が必要です。
さらに、受診のための費用が著しく高額でないことという条件もあります。この条件を満たしているならば、全額を福利厚生費として経費に計上することができます。ただし、いくらからを高額とみなすのかについては、はっきりとした金額の基準がないため、契約している税理士にご相談ください。
人間ドック助成金について
人間ドックは一般検診や特定健診に比べて高額ですが、助成金の制度を利用することで費用を抑えることができます。厚生労働省では職場定着支援助成金制度を定めており、人間ドックは「健康づくり制度」に該当するため、支援金を受け取ることが可能です。
人間ドックの助成金を受け取るための流れ
企業はまず、ハローワークに「導入計画」として「いつ従業員に人間ドックを受診してもらうか」について具体的な計画案を提出します。
次いで、就業規則等に反映させたのちに計画書を労働基準監督署に提出しなければなりません。
計画通りに人間ドックの受診を完了したのち、2ヶ月以内に領収書を添えてハローワークに助成金の申請を出します。審査がありますが、不備がなければ「制度導入助成金」として10万円が支払われます。
さらに1年後に退職率が目標値よりも下回っていた場合、「目標値達成支援金」として60万円が支払われる仕組みです。
経営者の人間ドックも助成金が出るか
経営者や役員だけなど特定の人に限定して受診したものでないなら、経営者の人間ドックの費用も助成金の対象となります。また、各種健康保険組合、または国民健康保険でも一部、人間ドックの助成金を出していますので、自分が加入している保険者、または自治体の窓口にお問い合わせください。
自営業や一人社長の人間ドックは経費にならない?
自営業(個人事業主)でも健康を守らなければ働き続けることができないため、病気の早期発見や予防のために人間ドックを受診することは必要です。
しかしながら、健康診断や人間ドックは病気の予防、また早期発見のためのものであり、治療のための費用ではありません。そのため、自営業のフリーランスや一人社長の場合、人間ドックは事業経費として計上できません。
事業主だけでなく、家族が事業を手伝っている場合もやはり人間ドックの費用を事業経費にできません。ただし、自分と家族以外で従業員として雇っている人がいる場合は経費として計上することが可能です。従業員に対しては個人事業主に雇われている場合であっても健康診断を受けさせることが義務だからです。
個人事業主の税務対策としての利用はできるか
個人事業主は人間ドックを医療費、また福利厚生費として計上することができない以上、税務対策として利用することは難しいでしょう。医療費控除は病気の治療のために支払った医療費や処方箋料に対しての控除です。人間ドックは病気の予防のために受けるため、医療費として計上することも不可能です。
しかし、個人事業主でも従業員を雇っているなら人間ドック費用を経費として計上することは可能です。ただし、従業員の受診費用を全額会社が負担しなければならないため注意が必要です。
家族の受診範囲と税務上の扱いについて
個人事業主の家族が人間ドックを受診した場合も、経費として計上することはできないため、注意が必要です。家族を従業員として雇っている場合でも経費として計上することができません。個人事業主の家族は青色専従事業者とみなされるからです。
経営者におすすめの会員制人間ドックのメリットとは?
経営者が健康を保つことは企業の成果と直結します。経営者が健康を害すると企業活動に大きな影響が及びます。また急病のためにトップが交代ということになれば、企業に大きな損失をもたらすことにもなり得るでしょう。
そのため、経営者の人間ドックは企業にとって必要な投資です。しかしながら、人間ドックにはさまざまな種類があり、費用も異なります。人間ドックを経費として計上するためにはすべての従業員が同じ機会を与えられていることが必要であるといわれています。
一般的に会員制の人間ドックは高額な入会金や年会費が必要であり、健診も同様です。それでも、従業員すべてが同じ人間ドックを受けられるのであれば経費として計上することは可能です。経営者のみが受ける人間ドックである場合には経費として計上することはできず、役員報酬として課税されるといわれています。事業経費として計上できるかどうかについては顧問税理士にご確認ください。
ここでは、多少高額であっても経営者が会員制の人間ドックを受けることのメリットについて考えてみます。
経営者の忙しいスケジュールに対応可能
経営者はほとんどの場合、忙しいスケジュールで活動しているものです。人間ドックは一般的な健康診断よりも検査項目が多いため、2日にわたっておこなわれることも少なくありません。しかしながら、会員制の人間ドックであれば最大限に効率を重視し、スムーズに検査が進むため時間を無駄にしません。また、土日も対応している会員制の人間ドックもあります。
セントラルメディカルクラブ世田谷では検査の待ち時間を可能な限りコントロールする検査体制を整えております。そのため忙しい経営者に選ばれています。
未病レベルでの早期発見ができる
経営者の病気は企業全体にとっての損失、またリスクとなります。会員制の人間ドックでは一般的な健康診断で用いられる検査機器よりも高性能な医療機器を用いて検査をおこないます。がんや認知症などの企業の存続にとってリスクとなりうる疾患も未病レベルでの早期発見が期待できます。
セントラルメディカルクラブ世田谷では、デジタルPET-CTを用いてごく小さながんを発見することが可能です。また脳や心臓を調べるMRIやCT、乳がんの早期発見に役立つ3Dマンモグラフィや乳房用超音波画像診断装置といった専門の検査機器を導入しています。
専属の医師によるサポートが受けられる
セントラルメディカルクラブ世田谷では専属の顧問医師とメディカルチームが会員お一人おひとりをサポートします。顧問医師は会員の健康状態を常に把握しています。万一病気が見つかり、治療が必要であれば国内外で最適な医療機関・医師と連携し迅速に紹介する仕組みを整えております。さまざまな医療機関・医師と連携しており、早期発見から早期治療にいち早く移ることが可能です。また、予防医療についてのサポートもおこなっており、検査結果の説明やカウンセリングでは対面はもちろん、電話やオンラインでおこなうことも可能です。
ラグジュアリーなサービスを受けることができる
会員制人間ドックではプライベート空間を保つため、個室や専用の通路が準備されています。他の患者さんと顔を合わせることはありません。また検査後には会員専用ラウンジでの食事や、ラグジュアリーな提携先ホテルでの宿泊なども利用が可能です。
施設そのものも、ラグジュアリーな空間に整えられています。人間ドックは検査項目も多く、拘束時間が長くなるため、リラックスできる施設で受診できることは大きなメリットのひとつです。
まとめ
企業の経営者が病気で倒れることは企業にとっての大きな損失、またリスクとなります。そのため、経営者が人間ドックを受診することは大切な投資のひとつとして近年関心が高まっています。しかしながら、人間ドックは一般的な健康診断よりも高額です。そのため、経費で計上できるのかどうかは経営者にとって気になるところでしょう。人間ドックが経費として計上できるかどうかについては顧問税理士にご相談ください。
セントラルメディカルクラブでは会員の皆様の健康を守るため、人間ドックをおこなっています。未病レベルでの発見が可能になる人間ドックの受診についてご検討ください。
<詳細はこちら>
https://centralmedicalclub.com/price