疲れやすい原因とは? なかなか取れない疲れは未病のサインかも
未病ひと昔前は、疲労の原因は栄養不足や肉体労働によるものが多く、よく寝て栄養を摂れば改善できました。しかし、現代では疲労も多様化しています。現代ならではの疲労には、体力低下、不眠、血のめぐり、ストレスなどが深く関係しています。
疲れやすい原因は人それぞれ違いますので、その疲れに合わせた回復方法が必要です。
今回のコラムでは、疲れやすい原因と疲労を軽減させる方法をご紹介しますので、ご自身の疲れの原因がどこにあり、どう改善していけばよいか確認してみてください。
疲れやすい原因とは?
疲れやすい身体になる原因は、主に以下の5つが考えられます。まず、ご自身の疲れの原因がどれに当たるか見極めましょう。
運動不足
疲れが取れない原因の中で最も多くの人に該当するのが運動不足です。運動することを怠っていると筋肉量が次第に低下していきます。すると、筋肉内でエネルギーを産生するミトコンドリアの量が減少し、エネルギーが十分に作られなくなるため、電池が切れたような状態になるのです。とくに下半身の筋力がない方は、運動不足からくる疲れを疑ったほうがよいでしょう。
運動しない状態が長く続くと、筋肉は相応に衰えますので、少し運動しただけでも疲れを感じるのです。日常生活に取り入れやすい運動は歩行です。20~30分のウォーキングを続けることが運動不足の解消につながります。
体力の低下
体力低下は加齢によるものがもちろんあります。年齢を重ねるとともに、筋力が減少し、心肺機能も低下してくるのが疲れを感じる原因です。
加齢によるもの以外では、多くの場合、普段の食事が原因です。ハードワークなど体に負担がかかる生活が続き、エネルギー切れになっているにもかかわらず、時間がないからと簡単にコンビニ食などで済ませる生活を続けていると、体力は一向に回復せず、疲れが日ごとにたまっていきます。
すべての活動の原動力であるエネルギーは、食事から摂るものです。食事を抜いたり、食習慣が乱れたりすると、エネルギーが不足しているのですから、当然疲れやすくなります。逆に、食べ過ぎによる肥満や、糖尿病も、エネルギーを有効に活用できなくなるため、疲れが溜まりやすくなります。
食事は3食をバランスよく食べることが基本です。そうはいっても忙しい現代人には難しいことがあるでしょう。
特に疲労の回復については、糖質の代謝に関係するビタミンB1・B2が有効といわれています。
バランスよく栄養素を取ることが難しい場合には、サプリメントで補うことも選択肢の一つです。
血の巡りが悪い
デスクワークなどで同じ姿勢を長時間続けていると、特定の筋肉が緊張し、そこに疲労の原因物質である乳酸がたまっていきます。そのまま筋肉を動かさない状態が続くと、血行がさらに悪くなり、乳酸が流れ出にくいため、疲れが取れないのです。
この血行不良の状態を防ぐには、筋肉に負担をかけないように、正しい姿勢を心がけることと、首や肩をほぐしたり、腕を伸ばしたりするストレッチをする習慣をつけるとよいでしょう。
睡眠不足
夜なかなか寝つけないなど、睡眠に関わる悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか?睡眠にはストレスや緊張状態が大きく関係します。気になる仕事のことを考えていると、交感神経が高ぶり、寝つけなかったり、眠りが浅かったりすることがあります。睡眠不足の日が何日も続くと、疲労が溜まってくるので、疲れやすくなるのです。
睡眠時間は、日中に生じた体内の不具合をリセットする大切な整備の時間といわれています。特に、睡眠中に分泌されるホルモンのうち成長ホルモンは、筋肉、内臓、皮膚などのダメージを修復し、疲労解消に重要な役割を担っています。そのため、質のよい十分な睡眠をとることで疲労も軽減できるのです。
慢性的な寝不足が続き、疲れを溜め込むことがないように、生活習慣を見直し、睡眠の質を高めるための工夫をしましょう。
ストレス
職場や学校などで、神経を使う仕事や人間関係によるストレスを受け、精神的に疲れ切ってしまうことがあります。ストレスを受けると、血流が乱れるため、全身に栄養が届かず、体力も低下します。このような精神的原因による疲労は、一晩寝てもスッキリすることはありません。絶えずだるく、日々の疲れがとれないといった慢性疲労につながりがちです。
ストレスの内容は人それぞれですが、少しでも解消させるためには、リラックスできる時間をつくりましょう。ウォーキングや散歩などの適度な運動は簡単かつ優れた方法です。
ゆったりと入浴することもよいでしょう。入浴中は、浮力、水圧、お湯の温度が作用し、筋肉が緊張から解放され緩んでくるため、血液循環もよくなります。お風呂にのんびり入って、神経の緊張をほぐしましょう。
疲れやすいのは未病のサイン
疲れやすいなと感じたときには、ご自身の疲れは何が原因かを把握し、生活習慣を見直すなど、早めに対処しましょう。疲れているときは、免疫力が低下しているため、疲れは病気を引き起こす一歩手前の未病のサインともいえます。未病の段階から適切に対処すれば、疲れにくい健康な状態へ近づけるでしょう。
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