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アメリカの政治経済に大きな力を持つ5大財閥とは? 各財閥の設立者や業績について解説

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世界一の経済大国アメリカを動かしているのは財閥といわれているほど、アメリカの財閥は世界経済にも大きな影響力を持っています。日本でもかつて存在していた三井・三菱・住友などの主要財閥は巨大な企業グループを形成し、国内の政治経済に大きな影響を与えてきました。アメリカでは、ロックフェラーをはじめ、モルガン、メロン、デュポン、カーネギーを合わせて5大財閥と呼んでいます。このコラムでは、知っていそうで案外知らない、アメリカの各財閥の人物や業績について解説します。

ロックフェラー(Rockefeller)財閥

アメリカで最大の財閥は、1839年にニューヨークで生まれたロックフェラー財閥です。

スタンダード・オイルの創始者ジョン・ロックフェラーと、大手銀行シティ・グループの創業者でジョンの弟ウィリアム・ロックフェラーを中心に発展し、石油業から軍事産業、さらに金融業へと広げていき巨万の富を築きました。

財閥としての地位を築いた後は、ロックフェラー財団の設立や、ロックフェラー医学研究所の創立など、社会事業にも積極的に取り組みました。さらに一族の多くが国会議員や州知事などを務め、1970年代のフォード政権時には副大統領を輩出しました。

毎年クリスマスが近づくと、日本のニュースでもニューヨークのロックフェラーセンターに飾られる巨大なクリスマスツリーの映像が映し出されますが、現在もロックフェラー家は政治、経済、芸術における影響力が衰えていない大財閥と言えるでしょう。

<ロックフェラー財閥の主な関連企業>
チェース・マンハッタン(現在のJPモルガン・チェース)
シティ・バンク
メリルリンチ
プルデンシャル
エクソンモービル
エッソ
ロックフェラー大学

モルガン(Morgan)財閥

国際的な金融財閥の一つがアメリカのモルガン財閥です。ジョン・ピアポント・モルガンが、父親から事業を引き継ぎ、世界最大の銀行家になり、その資金で鉄道や海運業、電力・通信事業、製鉄業にも手を広げ成功しました。

金融界と産業界の多くの企業がモルガン財閥の傘下に入り、その数は数百社にも及んでいるとされています。まさにアメリカ経済を動かしている巨頭といえるでしょう。

モルガン家は、ロックフェラー家のように、子や孫の代までは続かず、第二次世界大戦後、財閥への反発により、規模は縮小していきました。しかし、ウォール街を代表するようなJPモルガン・チェースなどの金融機関を設立し、現在もなお国際金融財閥として強い力を持っています。

<モルガン財閥の主な関連企業>
JPモルガン・チェース
JPモルガン・チェース銀行
JPモルガン
モルガン・スタンレー
ノーザン・パシフィック鉄道
フェデラル・スチール
USスチール
ゼネラル・エレクトリック

メロン(Mellon)財閥

創始者のトーマス・メロンは、大学卒業後弁護士として仕事をしていましたが、弁護士で得た報酬を投資しようと考え、選んだのが不動産投資でした。トーマスの狙い通り不動産事業で大成功を収め、財閥への一歩となる資産を手に入れたのです。

トーマスは1870年にメロン・アンド・サンズ銀行を設立すると、産業資本と金融を結びつける事業を展開。銀行の経営を父親から引き継いだ息子のアンドリュー・メロンは、産業資本への投資をより強化していきました。

アンドリューは、1920年に政界へ進出し、翌年には財務長官に任ぜられ、その後も3政権に渡り同職を務め、メロン財閥の立場をより確固なものとしました。

<メロン財閥の主な関連企業>
バンク・オブ・ニューヨーク・メロン
新生銀行
アルコア
メロン・アリーナ
カーネギーメロン大学
アンドリュー・メロン財団

デュポン(Du Pont)財閥

デュポン財閥はエルテール・イレネー・デュポンが設立した財閥です。化学者だったエルテールは火薬製造工場で巨万の富を得るようになりましたが、さらにレイヨンやナイロンなど新しい化学製品を開発し、自動車産業にも進出を果たしました。

世界最大の化学製品企業デュポン社をはじめ、世界70か国に多数の企業を有し、化学、宇宙、医療、バイオテクノロジーの分野で影響力を持っています。

<デュポン財閥の主な関連企業>
デュポン
ゼネラルモーターズ
レミントン・アーム
ハーキュリーズ
ファースト・シカゴNBD
バンク・オブ・デラウェア

カーネギー(Carnegie)財閥

カーネギー財閥を設立したアンドリュー・カーネギーは、ジョン・ロックフェラーに次ぐ富豪として知られています。スコットランド移民であったアンドリュー・カーネギーは労働者から身を起こし、19世紀末に製鉄業界で成功を収め、カーネギー鉄鋼会社を創設。1901年にはUSスチールに売却して引退しましたが、その後は社会貢献として、音楽振興に力を注ぎ、世界有数のコンサートホールであるカーネギーホールの建設など、数々の文化・慈善事業に携わりました。

<カーネギー財閥の主な関連企業>
カーネギー鉄鋼会社
キーストン鉄橋会社
ピッツバーグ・ベッセマー製鋼所
ユニオン製鉄所
ホームステッド鉄鋼
エドガー・トムソン製鋼所

 

以上がアメリカの5大財閥ですが、ロックフェラー、メロン、デュポンを3代財閥と呼ぶこともあります。また、近年ではアップル、グーグル、マイクロソフトといったIT分野で成功を収めた企業は、創業者が株式を多く所有していることで財閥とされることもあります。

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