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がんの早期発見のために出来ること

がんの早期発見のために出来ること

がんを早期発見するには、定期的にがん検診を受診することが重要です。早期発見・治療ができれば生存率・完治率にも大きな違いが出てきます。

本記事では、がんの早期発見の重要性から生存率の違い、メリット、検査内容や方法までを詳しく解説します。近年開発された、血液1滴や尿でがん診断ができる方法にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

がんの早期発見の重要性

がんの早期発見の重要性

がんの早期発見が重要とされる大きな理由は、早期発見後に迅速に治療できれば約9割が完治できるといわれているためです。しかし、日本のがん検診受診率は30%〜40%程度であり、諸外国の70%〜80%と比較するとかなり低いのが現状です。がん検診の受診率を高めることは日本にとって喫緊の課題といえるでしょう。

胃がん検診(過去1年) 男性47.5% 女性36.5%
肺がん検診(過去1年) 男性53.2% 女性46.4%
大腸がん検診(過去1年) 男性49.1% 女性42.8%
子宮がん検診(過去2年) 43.6%
乳がん検診(過去2年) 47.4%

出典:がん検診受診率の国際比較 国立研究開発法人国立がん研究センター

出典:2022年(令和4年)国民生活基礎調査の概況 厚生労働省

がんの早期発見による生存率の違い

がんは進行度により生存率が異なります。2023年版のがんの統計を参考に、進行度別に見たがんの生存率は次の通りです。

進行度 5年相対生存率
全がん 限局

(転移なし)

92.4%
領域

(周囲の臓器やリンパ節に転移している段階)

58.1%
遠隔

(がんが遠くの離れた臓器までに転移している段階)

15.7%

出典:がんの統計2023 公益財団法人 がん研究振興財団

上記のデータからも、転移のない段階で早期発見することが重要だと分かります。

がんの早期発見のメリットとは

がんの早期発見の主なメリットは次の通りです。

  • 早期治療ができる
  • 完治率に違いがでる
  • 安心して生活ができる

それぞれ解説します。

早期治療ができる

がんは早期発見に加えて迅速な治療が重要です。がんが小さい時期であれば、転移・再発の可能性も軽減できるためです。

また、前がん病変である子宮頸部異型上皮や大腸腺腫などを発見して治療できれば、細胞のがん化を未然に防ぐこともできます。さらに、早期発見し治療することで身体的・経済的な負担も少なくできるでしょう。

完治率に違いがでる

がんの早期発見・治療は完治率にも違いがでます。2023年版のがんの統計を参考にがんの部位別の生存率を確認すると次の通りです。

部位 進行度 5年相対生存率
肺がん 限局 83.5%
領域 31.1%
遠隔 6.4%
胃がん 限局 96.7%
領域 51.9%
遠隔 6.6%
結腸がん 限局 98.2%
領域 76%
遠隔 16.2%
乳房がん 限局 99.3%
領域 90%
遠隔 39.3%
子宮頸がん 限局 95.7%
領域 66.8%
遠隔 22.5%

出典:がんの統計2023 公益財団法人 がん研究振興財団

がんは根治治療後に、5年間再発・転移がなければ「ほぼ完治した」とみなされます。限局がんであれば、80〜90%以上の方が5年後も生存しているため、早期発見・治療ができれば、完治率が高いと言えるでしょう。

ただ、がんの部位により再発率は変わるため、5年生前率イコール完治率ではないので注意してください。

安心して生活ができる

がん検診を受けて「異常なし」と診断をされれば、がんの心配をせずに安心して生活ができます。しかし、日本人が一生のうちでがんになる可能性は2人に1人と言われているため、一度のがん検診で安心せず、定期的に受診しましょう。

がんになる確率 男性65.5%(2人に1人)

女性51.2%(2人に1人)

がんで死亡する確率 男性26.2%(4人に1人)

女性17.7%(6人に1人)

出典:最新がん統計のまとめ 国立研究開発法人国立がん研究センター

がん検診の内容とは

がん検診は部位ごとに種類があります。厚生労働省が各市町村に指針として定めているがん検診の内容は次の通りです。

検診の種類 検査方法 対象者 受診間隔
胃がん検診 問診・X線検査・内視鏡検査 50歳以上 2年に1回
子宮頸がん検診 問診・視診・内診・細胞診 20歳以上 2年に1回
肺がん検診 問診・X線検査・喀痰検査 40歳以上 年1回
乳がん検診 問診・X線検査 40歳以上 2年に1回
大腸がん検診 問診・便潜血検査 40歳以上 年1回

出典:がん検診の種類について 厚生労働省

受診間隔については、検診によって間隔が異なりますが、必ずしもこの間隔ごとに受診すれば大丈夫ということではありません。

当然、早期発見のためには、市町村がおこなう検診だけ受けていれば十分ではないことを知っておきましょう。

がんの早期発見のための検査方法

がんの早期発見のための検査方法

がんの検査方法には次のような種類があります。

  • PET-CT
  • MRI
  • ABUS
  • マンモグラフィ
  • 内視鏡検査
  • 腫瘍マーカー検査
  • エコー(超音波)検査
  • 組織診

それぞれ解説します。

PET-CT

PET(Positron Emission Tomography)とは陽電子放出断層撮影のことです。陽電子(正の電荷をもつ電子)を放出する検査薬18F-FDG(ブドウ糖に似た放射性薬剤)を体内に投与して、細胞の活動状態を画像化する検査です。臓器の形を撮影するX線CT検査と組み合わせて実施します。

画像診断を実施して、がんの成長や転移・再発の状況を調べることが可能です。この検査では、正常細胞よりも多くブドウ糖を取り込むがん細胞の性質を利用します。検査薬を多く取り込んだがん細胞は陽電子を多く放出し、消滅する際にガンマ線を体外に放出します。

そのガンマ線をスキャンすると、多く放出される部位が光って見えるため、がんの状況を調べることできるのです。対象となるのは甲状腺・肺・大腸・乳腺・すい臓・食道・卵巣などに発生するがんです。

MRI

MRIは、がんの有無や範囲、転移・再発の状況、治療効果などを確認するために実施します。磁場が発生しているトンネル状の装置の中で、電波を身体にあて画像を撮影します。

検査時間は15分〜45分です。受診者はベッドに寝た姿勢になり、トンネルの中に入ってもらいます。ほぼすべてのがん検査に用いられ、CT検査では区別がつきにくい場合に有効です。

ABUS

ABUS(エーバス)とは、3D乳腺エコー検査装置のことで、乳がん検査のために用いられます。体型や乳腺、生理周期など異なる状況下でも、乳房組織を鮮明に捉えることができ、詳細な画像撮影ができます。

欠点は、乳がんでみられる微小な石灰化を描出できないことです。一方、がんの発見の妨げになる高濃度乳房(デンスブレスト)の方でも、病変を発見しやすい利点があります。

胸に機械を押し当てるだけで検査ができるため、短時間かつ痛みも少ないです。「痛い」「触られるのが嫌」「時間がない」という方にとっても受けやすい検査です。

マンモグラフィ

マンモグラフィとは乳房X線検査のことで、がんの有無や位置、範囲などを調べるために実施します。検査時間は数秒ですが、乳房を2枚の板で挟み圧迫した状態で撮影するため、痛みを感じることがあります。

欠点は高濃度乳房の場合、病変を見つけにくいことです。一方、触診や視診では見つけにくい小さな病変や、超音波検査では発見しにくい微小な石灰化も見つけやすい利点があります。

内視鏡検査

内視鏡検査とは、食道や胃などの管腔臓器に内視鏡(ファイバースコープ)を挿入する検査です。食道・胃・大腸・気管・気管支・咽頭・喉頭・胆管の内部を直接見て、病変の有無や範囲、深さを調べることができます。

内視鏡で病変の一部を採取して、良性であるか、悪性であるかを診断することもあります。検査自体は約20分です。局所麻酔と消化管運動を止める注射を実施するため、多くの人は苦しむことなく検査を受けられます。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカー検査は、がんの再発・転移の状況、治療効果をみるために実施します。腫瘍マーカーとは、がん細胞から作られるタンパク物質のことです。がん細胞の存在を示す目印になり、がん細胞の数や量により値が高くなります。

採血または採尿を実施して、血液や尿に含まれる腫瘍マーカーを測定します。がん以外の病気でも値が高くなることがあるため、あくまで補助目的の検査です。

肺がん・胃がん・大腸がん・膀胱がん・乳がんなど、あらゆるがんに対して検査を実施します。すべてのがんで目印となる腫瘍マーカーが見つかっているわけではありません。

エコー(超音波)検査

エコー(超音波)検査は、がんの場所や形、大きさ、転移の有無などを調べる検査です。身体に超音波プローブをあて、臓器からの跳ね返りを画像として映し出すことができます。

腹部に超音波検査用ゼリーを塗り、超音波プローブを当てるだけであるため、受診者への負担が少ないのが特徴です。

検査自体も約10分で終了します。肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・膀胱・卵巣・子宮・前立腺など腹部にある臓器を対象にした検査です。

組織診

組織診とは生検組織診断とも呼び、病変の組織片を採取して顕微鏡で調べる検査です。外科的に一部組織を切除する切除生検、太めの針で組織を採取する針生検などの採取方法があります。内視鏡や超音波検査、CT検査を用いて組織を採取する場合もあります。

大きな組織を採取して調べるため痰や尿、しこりなどから採取する細胞診よりも、診断率が高いです。そのため、確定診断のために実施することがあります。

がん検診の費用相場について

がん検診の費用相場について

多くの市町村では、健康増進法に基づいてがん検診が実施されています。対象者である場合は、一部の自己負担で受診可能です。ここでは、市町村が案内しているがん検診を受ける場合と、実費で受ける場合の費用相場について解説します。

市町村のがん検診を受ける場合

市町村が案内しているがん検診を受ける場合の費用相場は次の通りです。

検診の種類 費用相場
胃がん検診 約500円〜3,100円
子宮頸がん検診 約400円〜2,200円
肺がん検診 約400円〜700円
乳がん検診 約500円〜1,500円
大腸がん検診 約300円〜1,200円
前立腺がん検診 約1,000円

料金は検査内容や年齢により増減しますが、数百円〜数千円の範囲であるため、大きな負担なく受診できるでしょう。市町村のがん検診を受診するには、要件をクリアする必要があります。詳細を知りたい方は管轄の市町村のホームページを参考にしてください。

実費でがん検診を受ける場合

市町村が実施しているがん検診ではない場合は実費になります。実費のがん検診の費用相場は次の通りです。

検診の種類 費用相場
胃がん検診 約14,000円〜23,000円
子宮頸がん検診 約6,800円〜13,000円
肺がん検診 約7,100円〜35,200円
乳がん検診 約6,200円〜27,500円
大腸がん検診 約20,000円〜39,000円
前立腺がん検診 約2,000円〜3,500円

こちらも検査内容や年齢、医療機関により費用は増減します。あくまで参考程度に捉えましょう。

血液1滴でがん診断ができる時代

国立がん研究センターは、血液1滴でがんを早期発見できる技術を開発しました。血液中で遺伝子やタンパク質を調節している物質であるマイクロRNAを測定することで、がん診断ができます。

すでに実用化されており、肺がんや食道がん、胃がんなど10種類以上のがんの診断に役立ちます。がん検診を受診しない多くの理由は「受ける時間がない」であり、手軽に受けられないことです。この検査方法が広まれば、がん検診の受診率の改善が期待できるでしょう。

尿でもがんの早期発見が可能

尿でがんを発見できる方法が開発されており、実用化もされています。検査方法は次の2つがあります。

一つ目は、尿中のマイクロRNAを抽出することでがんを特定する方法です。従来は、マイクロRNAを尿20mlから200〜300種類しか調べることができませんでした。

しかし、新技術であるナノワイヤ(極細のワイヤ)を利用することで、尿1mlから1,000種類以上のマイクロRNAを抽出できるようになりました。この新技術でがんにより増減するマイクロRNAを識別できるようになったのです。

2つ目は、尿中のがんの匂いから特定する方法です。がんを罹患している方は健常者にはない特有の匂いを発しています。嗅覚センサーが優れた線虫は、がんを罹患している方の尿に引き要せられる特性があり、この特性を利用してがんの有無を調べることができます。

早期発見・治療のために定期的にがん検診を受けよう

早期発見・治療のために定期的にがん検診を受けよう

がんは日本国民の2人に1人が罹患すると言われている病気です。進行度により生存率・完治率が変わるため、なによりも早期発見・治療が重要です。

多くの市町村で一部費用を負担するがん検診の案内を実施しています。管轄の市町村のホームページを参考にして、がん検診を受けましょう。

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