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マンモグラフィ検査でわかる高濃度乳腺(デンスブレスト)とは

乳がん検査のX線撮影「マンモグラフィ」(以下、マンモ検査)を受けると、自分の乳房(にゅうぼう)が高濃度乳腺(デンスブレスト)であることがわかることがあります。

高濃度乳腺(デンスブレスト)とは、乳腺組織の割合が多い乳房のことです。

高濃度乳腺(デンスブレスト)は病気ではないのですが、乳がんが発生していても、マンモ検査で発見しづらい欠点があります。

そのため、医師がマンモ検査で「乳がんの疑いが低い」と判定しても、高濃度乳腺(デンスブレスト)の場合「完全にない」と言い切れる確率が低下してしまうことになります。

乳腺とは、乳腺の濃度とは

高濃度乳腺(デンスブレスト)の特徴を知るには、乳腺の知識と、乳腺の濃度という概念を知っておく必要があります。

乳腺は乳房の構成要素の1つ

乳房は次の部位で構成されています。

・乳腺組織
・脂肪組織
・皮膚
・乳頭(乳首)
・血管など

乳腺組織のことを、単に乳腺と呼ぶことがあります。

乳腺は、血管から母乳をつくる器官です。

乳腺は、脂肪組織に包まれています。

乳腺の濃度は乳房に占める割合

乳房はほぼ、乳腺と脂肪からできている、ということができます。

そして、乳房の体積に占める乳腺の割合を、乳腺の濃度と考えます。

乳腺の濃度は4段階で表す「高濃度」「不均一高濃度」「脂肪性」「乳腺散在」

乳腺の濃度は、次の4段階で表します。

・高濃度乳腺:乳腺が全体的に高濃度
・不均一高濃度乳腺:乳腺の濃度は濃いが、濃さは不均一
・脂肪性乳腺:乳房のほとんどが脂肪
・散在性乳腺:比較的脂肪が多い

高濃度乳腺(デンスブレスト)だとなぜがん細胞が発見しづらいのか

高濃度乳腺(デンスブレスト)だとがん細胞を見つけづらくなるのは、乳腺もがん細胞も、マンモ検査をすると白く映ってしまうからです。

マンモはX線で乳房の内部を撮影する機器です。X線撮影には、X線が透過しにくいものが白く映り、X線が透過しやすいものは黒く映る性質があります。

乳腺もがん細胞もX線を透過しにくいので、白く映ってしまいます。

つまり、乳腺の濃度が高い乳房の場合、がん細胞があっても、乳腺の白さに打ち消されてしまう可能性があります。

それで、高濃度乳腺(デンスブレスト)では、がん細胞を発見しづらくなってしまうわけです。

日本人は高濃度が多い

日本人女性は高濃度乳腺(デンスブレスト)が多いとされています。先ほどの4種類の割合は次のとおりです。

<日本人女性の割合>

・高濃度乳腺:10%
・不均一高濃度乳腺:50%
・脂肪性乳腺:10%
・散在性乳腺:30%

高濃度乳腺と不均一高濃度乳腺を合わせた「広義の高濃度乳腺」は60%になります。

そして50歳以下の場合は、女性の約8割が高濃度乳腺(狭義の高濃度乳腺)とされています。

脂肪性、散在性は発見しやすい

脂肪はマンモ検査では黒く映るので、白く映るがん細胞とのコントラストがはっきりします。

したがって、脂肪性乳腺と散在性乳腺は、マンモ検査でがん細胞を指摘しやすい乳房といえます。それはつまり、マンモ検査で「がん細胞がない」という所見が得られれば、がん細胞がない可能性が高まることを意味します。

高濃度乳腺と不均一高濃度乳腺 脂肪性乳腺と散在性乳腺
マンモ検査で、がん細胞が見つからなかった がん細胞がない、といいづらい がん細胞がない確率が高い
マンモ検査で、がん細胞が見つかった がん細胞の疑いがある

 

高濃度乳腺(デンスブレスト)だったらどうすればよいのか

高濃度乳腺(デンスブレスト)の人は、マンモ検査で「がん細胞らしきもの」が見つからなくても、超音波検査をすすめられるでしょう。

超音波検査を受けましょう

マンモ検査はX線で乳房の内部を調べますが、超音波検査は超音波を使って乳房の内部を調べます。

X線で見えなかったものが、超音波なら見えることがあります。

超音波検査は、手の平サイズの機器を乳房に当てるだけなので、ほとんど負担なく受けることができますし、痛みもありません。

高濃度乳腺(デンスブレスト)でもマンモ検査が必要な理由

高濃度乳腺(デンスブレスト)の人は、マンモ検査を受けるメリットが得られないように感じるかもしれませんが、そうではありません。

高濃度乳腺(デンスブレスト)であると指摘された人も、定期的にマンモ検査を受けたほうがよいでしょう。

それは、マンモ検査によって乳房内の組織の石灰化を見つけられることがあるからです。石灰化は乳がんの兆候の1つであり、なおかつ、超音波検査では見つけづらい症状です。

高濃度乳腺(デンスブレスト)は乳がんのリスク因子の1つ

高濃度乳腺(デンスブレスト)はいわゆる病気ではないのですが、乳がんのリスク要因の1つと考えられています。

したがって、マンモ検査で高濃度乳腺であると指摘された方は、定期的にマンモ検査を受けると同時に、セルフチェックでしこりができていないか確認するようにしてください。

なぜ乳腺の濃度が高くなると乳がんリスクが高まるのかはわかっていません。

まとめ~心配せずに警戒しましょう

繰り返しになりますが、高濃度乳腺(デンスブレスト)は病気ではなく、単なる症状なので、心配する必要はありません。また、日本人女性には珍しい症状ではありません。

ただ、マンモ検査でがん細胞が見えづらく、乳がんリスクが高いこともわかっているので、警戒は怠らないようにしましょう。

警戒とは、セルフチェックでしこりの有無を確認することと、定期的にマンモ検査を受けることです。

関連記事:乳がん初期症状の特徴と、そのほかの乳房疾患との違い

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