60歳からはフルオプションの人間ドッグがおすすめ。その理由とは?
人間ドック 検査支障なく日常生活を送れる期間である「健康寿命」という言葉が市民権を得てしばらく経った今、いかに健康的に過ごせる期間を延ばすかを意識する人が増加しています。健康寿命を延ばす基本は病気の「早期発見・早期治療」です。特に高齢になるほど重大な病気が発症する可能性が高まるので、若い頃よりも意識して検診などを受ける必要があります。
その代表的な方法が人間ドックであり、60歳以上は基本検査項目だけでなく追加オプションも加えた検査が推奨されています。
今回は、その理由と具体的な検査項目について紹介します。
人間ドックの検査項目とは
人間ドックとは、法律で義務付けられている健康診断よりも詳しく体の状態をチェックすることです。検査項目は身体測定や胸部X線、血液検査、超音波検査などの「基礎検査項目」とオプションで追加できる項目に大別されます。ただし、人間ドックを受ける医療機関の得意領域や重要視している疾患リスクによって、基礎検査項目やオプション項目が追加・変更されるケースがあります。
また、人間ドックは基本的に全身の健康状態を確認するためのもので、脳を重点的に調べたいのであれば「脳ドック」、心臓疾患に特化した「心臓ドック」、全身のがんリスクを調べる「PET検査」など、より詳細な検診と併せて受診する人も60歳以上の世代が最も多くなります。
60歳から注意したい病気と注目すべき検査項目
健康寿命はもちろん、年齢を重ねるごとに自身の「死」について意識する人は増加します。2019年に厚生労働省が発表した「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)」によると、2018年度(2018年3月~2019年4月)の死亡数は138万1098人。死因の第1位は悪性新生物(腫瘍=がん)で、全死亡者の27.3%を占めます。また、第2位は心疾患(15.0%)、老衰(8.8%)と続きます。
高齢はがんの代表的な危険因子であり、男性の45~49歳の死亡率が57.7に対し60~64歳では433.4と大幅に増大することが明らかになっています。
このため、健康寿命を延ばすために60歳以上の検査で特に重視すべきは「がん」に関わる項目だと考えられているのです。
がんを検査する方法としては、血液検査、画像検査、内視鏡検査、病理検査があります。基本項目でも、一部の検査を受けられるケースがありますが、より詳細に調べる場合は追加オプションを検討しなければならないこともあります。それぞれの代表的な検査方法について、以下で簡単に紹介するので参考にしてください。
■がんの検査方法の種類
・血液検査
腫瘍マーカー
・画像検査
超音波検査、X線検査、CT、MRI、PET検査
・内視鏡検査
胃カメラ
・病理検査
細胞診検査
これらの検査を組み合わせて行う検査が、近年、自治体などからも推奨されているのが全身のがんをくまなく調べる「スクリーニング検査」です。60歳以上の方にぜひ検討してもらいたい、スクリーニング検査について詳しく紹介します。
※引用:厚生労働省「死因順位別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率・構成割合」
※引用:厚生労働省「令和元年(2019) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」
60歳以上におすすめの「がんスクリーニング検査」とは
スクリーニングとは「ふるい分け」という意味で、先天性胎児異常を見つけるための「胎児スクリーニング」や軽度認知障害を早期発見する「MCIスクリーニング」など、目的や対象によって様々なスクリーニング検査が実施されています。
がんスクリーニング検査とは、その名の通り全身のがんを早期発見するためのスクリーニング検査です。検査は前述した検査方法のほか、血液中のアミノ酸濃度を測定してがんのリスクを評価する「AICS(アミノインデックス)」、FDGという薬を利用してわずか数ミリメートルのがんを発見できる「PET検査」、血液検査である「PSA」などがあります。実際は医療機関に応じて、オプションで検査項目を追加することで、スクリーニングをかけられるケースがほとんどです。
専門のプランを用意している医療機関もあるので、60歳以上の方はしっかりと内容を確認して利用する必要があります。
万全を期すならフルオプションの人間ドックを検討しましょう
60歳以上の人が注意すべき病気と検査項目について解説しました。重大な病気の発見が遅れた場合、健康寿命の短縮はもちろん、医療費が増大するなど様々なデメリットが生じます。人間ドックを万全に期すのであればフルオプションのコースを選択したうえで、がん検査などの個別検査を行うことをおすすめします。会員制人間ドックのセントラルメディカルクリニックでは、最新機器を使った画像診断やいつでも相談できる顧問医サービスを設けており、多くの方の健康寿命の延伸を図っています。自身の健康に真剣に向き合う方は、ぜひ一度、ご相談ください。