低体温を理解して改善しよう【経営者や成功者は熱いのか?からの考察】
その他経営者や成功者には「熱い」人が多いと感じることがあります。
情熱があり、エネルギーが満ち満ちている。だからこそ、熱を帯びると活発に活動でき、成果を手繰り寄せられるのかもしれません。
体温が高い人ほど成功を収めやすい、といった研究結果は見当たらないのですが、成功するための第1条件に健康があるとすれば、体温は成功に関係していないとは言い切れません。なぜなら、適切な体温を維持することは、健康管理に欠かせないからです。
この記事では、適切な体温から離れた状態である低体温について解説します。
病気が体温を低下させ、低体温が病気を引き起こすことがあります。
さらに、体温を上げる方法も紹介します。
体温の理解は意外に難しい
実は、体温を理解することは簡単ではありません。「平熱」は厳密には医学用語ではなく、日本人の平均的な体温のことをそのように呼んでいます。
36度より少し上くらいがよい状態?
では日本人の平均体温は何度なのかというと「36~37度程度」とあいまいです(*1)。また、ある研究では、健康な日本人の口のなかの温度(口腔温)の平均は36度台後半という結果になりました(*2)。
なぜ「よい体温」の定義があいまいなのかというと、その人の健康にちょうどよい体温が人によって異なるからです。
肝臓が最も高く、皮膚は15度になることも
体温の理解をさらに難しくしているのは、臓器による違いです。同じ人でも、体温を測定する場所によって大きく変わります。
人の体で最も温度が高いのは肝臓です。肝臓は代謝という活動によって熱を多く作るのに、さまざまな臓器に囲まれていて熱を発散できないため高温になります。
一方、手足の皮膚は外の環境にさらされているので、15~40度の範囲で変化することも珍しくありません(*3)。
低体温とは
36度より少し上がちょうどよい体温だとしたら、健康を害する低い体温はどれくらいかというと35度以下です。
直腸の温度(肛門の少し奥の温度)などの深部体温が35度以下になると、低体温症と診断されます(*4)。
つまり、普段より「1度ちょっと下がるだけ」でよくない状態に陥ることがわかります。
低体温症を起こす4つの原因と、それを起こす原因
低体温症は1)寒冷環境にいたり、2)熱を喪失しやすい状態にあったり、3)熱をつくる能力が低下したり、4)体温を調節する機能が低下したり、するときに起きます。この4つの原因が1つまたは複数発生したときに低体温症になります。
そしてこの4つの原因は、次の原因によって生じます(*5、*6)。
■低体温症を起こす4つの原因を起こす原因
≪体調に関係しないもの≫
・山岳遭難
・水難事故
・泥酔
・薬物やアルコール中毒
・路上生活者
・広範囲熱傷
≪体調に関係するもの≫
・脳血管障害
・頭部外傷
・幼少児
・高齢者
・皮膚疾患
・内分泌疾患(甲状腺、下垂体、副腎などの機能低下)
・代謝異常
・低血糖
・低栄養
・中枢神経の異常
山岳遭難などは体調に関係しない原因といえます。
一方、脳血管障害や頭部外傷などは体調に関係した原因です。このことから、体調の変化によって低体温が起きることがわかります。
そして幼小児や高齢者は、その年齢にあるだけで低体温症のリスク要因になります。
なぜ「幼小児であること」「高齢者であること」だけでリスクになるのか
幼小児や高齢者がその年齢にあるだけで低体温症のリスクが高まってしまうのは、幼小児は体重に比べて体表面積が大きく、高齢者は皮下組織が減ってしまうからです。そのため外の温度変化の影響を受けやすくなってしまいます。
こんなに怖い低体温症の症状
低体温症は体温によって症状が変化します(*5)。
・35~32度:軽度低体温の症状
骨格筋が戦慄する(体が震える)
・32~28度:中等度低体温の症状
骨格筋の戦慄が消える、30度以下で致死的な不整脈
・28度以下:高度低体温
筋が硬直し、昏睡状態、呼吸停止、心停止を引き起こす
低体温症は恐い病気と理解しておいて間違いありません。
体が温かくなるものを食べて飲もう
食べ物や飲み物で体を温めましょう。
体温を正常に維持する効果が期待できる食べ物と飲み物は以下のとおりです(*7)。
■体を温める食べ物、飲み物
・野菜:カボチャ、ニンジン、ゴボウ、タマネギ
・香辛料など:ショウガ、ニンニク、香辛料
・果物:リンゴ、ブドウ
・飲み物:紅茶、中国茶、ほうじ茶、赤ワイン、日本酒
・食べ物:玄米、全粒粉パン、未精白の砂糖
運動をして筋肉を増やそう
肝臓は熱を生みますがトレーニングで肝臓を大きくすることはできません。しかし筋肉ならそれが可能です。
筋肉も大量の熱を生むので、筋トレをして筋肉を増やすことは体温にとってプラスに働きます。
体温が低下する習慣をあらためて
体温を維持するには、体温が低下する習慣をあらためることも大切です。
次のことを意識してみてください。
■体温維持のためにこうしよう
・朝食を抜いている人は、しっかり食べるようにしてください
・南国の食べ物や飲み物は体を冷やすことがあるので、特に夏の時期は注意しよう
・偏食の人は、栄養バランスが摂れる食事をしましょう(インスタント食品ばかり、野菜を食べない、炭水化物ばかり、という食生活はあらためて)
まとめ~温かくしましょう
「体温の難しい話」を知らなくても、快活で活発な人は熱量が高い、と直感的に感じるはずです。
基礎体温を上げることによるメリットは医学的に証明されています。平熱は個人によって異なりますが、平熱が低体温に近い方は上記内容を取り組んでみてはいいかがでしょうか。
病気になると発熱することがあるため、体温が高いことをネガティブに考える人がいるかもしれませんが、それは正しくありません。体は発熱することで病気を起こしている原因を克服しようとしているのです。もちろん高熱が続くときは解熱剤で熱を下げる必要はあります。
そして低体温は、不健康によっても生じることがあり、さらに健康を害す可能性があります。
快活であるために、活発に動くために、そして健康のために温かくしましょう。