【2021年版】世界最高の国ランキング最新版では、カナダが1位、日本が2位!
その他米誌メディアU.S. News & World Reportが毎年発表している「世界最高の国ランキング」をご存知でしょうか。このほど、「ベストカントリー2021」が発表され、名誉ある1位はカナダが獲得、日本は2位となり、2020年より1ランクアップしました。
2021年の調査は、76カ国、17,000人以上を対象に実施され、「生活の質」「市民の自由度」「文化的影響力」「ビジネスの開放度」など10項目に基づいて評価、ランク付けされました。では、調査結果の詳細を見ていきましょう。
世界最高の国上位10カ国
Top10に選ばれたのは以下の10カ国です。
ランキング | 国名 | 2020年の順位 | 2019年の順位 |
1位 | Canada(カナダ) | 2位 | 3位 |
2位 | Japan(日本) | 3位 | 2位 |
3位 | Germany(ドイツ) | 4位 | 4位 |
4位 | Switzerland(スイス) | 1位 | 1位 |
5位 | Australia(オーストラリア) | 5位 | 7位 |
6位 | United States(米国) | 7位 | 8位 |
7位 | New Zealand(ニュージーランド) | 11位 | 12位 |
8位 | United Kingdom(英国) | 6位 | 5位 |
9位 | Sweden(スエーデン) | 8位 | 6位 |
10位
|
Netherlands(オランダ) | 9位 | 10位 |
※「2021年USニュース世界最高の国ランキング」はこちら
世界最高の国第1位はカナダ! 総合スコアは100ポイント
2021年の調査で1位となったのはカナダです。同ランキングにおいて4年連続でトップの位置を守っていたスイスを抜き、初めて首位に立つことができました。
カナダがなぜ世界1位に選ばれたのか、Overall Score(カテゴリー別の評価)を見てみましょう。
総合スコア100ポイントを獲得しているカナダですが、Overall Scoreを見ると、Movers(発動力)にいたっては、76ヶ国中46位という低いランクです。では、何がカナダをして世界最高の栄誉の地位にまで押し上げたのでしょうか? 詳細を見ていくと、以下の5つのカテゴリーの高評価が後押ししたと考えられます。
・Quality of Life(生活の質) : スコア 100 第1位
・Social Purpose(社会的目的) : スコア 100 第1位
・Agility(機敏さ): スコア2 第3位
・Open for Business(ビジネスの開放性) : スコア9 第3位
・Entrepreneurship(起業家精神) : スコア9 第6位
日本が2位にランクインした理由とは
では、日本のOverall Score(カテゴリー別の評価)はどうでしょうか?
①Entrepreneurship(起業家精神):1位(2位) ※()内は2020年の順位
②Cultural Influence(文化的影響力):5位(6位)
③Movers(発動力):6位(5位)
④Power(経済・政治的影響力):6位(7位)
2021年の日本の総合スコアは「99.1」と非常に高く、2020年の「97.9」をさらに上回りました。個別スコアでは、同調査で最も重みづけがされている「起業家精神」が、前年度1位だったドイツを抜き、首位に立つことができました。日本はこの項目で大きくスコアを稼ぎ、総合的な順位を上げたといえるでしょう。また、「文化的影響力」「発動力」「総合的影響力」も高スコアが付けられており、いずれも世界トップ10に入っています。今後もこの分野でのより一層の向上が望まれます。
日本の弱点と今後の課題
では、評価の低かった項目を見ていきましょう。
日本が首位になるためには以下の課題に注力する必要があるといえます。
・Adventure(冒険的な観光資源):28位(34位) ※()内は2020年の順位
景色の良さでは評価されていますが、FUN、SEXYなどの項目のポイントが低いようです。外国人観光客はもっとわくわくするような刺激を求めているのかもしれません。
・Open for Business(ビジネスの開放性):26位(25位)
製造コストや税制などの面でビジネスフレンドリーではないことが、低スコアにつながっているようです。
・Quality of Life(生活の質):13位(14位)
生活の質のカテゴリーの中で、経済的安定、公的医療制度、教育制度は高く評価されていますが、所得の均等、ものの価格についてはかなり低い評価となっています。
・Social Purpose(市民の権利):20位(17位)
市民の権利の中でも、男女平等、宗教の自由、人権への配慮の評価の低さが顕著であり、総体的に評価を下げています。
ランキング第2位の日本に対する米国の評価
USニュース誌は、日本について、「世界の中で最も識字率が高く、技術面においても発達した国の一つ」と言及しています。また、2011年の東日本大震災についても触れ、混乱から大きく立ち直ったと見ているようです。さらに、自動車、電子機器などの産業は世界でもトップレベルであり、茶道、書道、武道などの伝統的な文化、寿司などの食文化などでも知られていると紹介しています。
さて、「起業家精神の」カテゴリーで日本がアメリカやドイツを抜き、トップになったことに違和感を覚えられる方もいることでしょう。このカテゴリーでは、起業を実現しやすい環境が評価の対象となっており、カテゴリーはさらに「他国との連携」「革新性」「習熟した労働力」「インフラの発達」など細かく分かれています。そのため、Entrepreneurshipは直訳では「起業家精神」となりますが、「起業のしやすさ」と捉えたほうがよいでしょう。
日本が世界最高の国ランキングで2位の国として認められたことは、日本人として素直に嬉しいことです。ただし、重要なことは順位ではなく、この調査の結果を踏まえて、自国の課題を認識し、改善に取り組むことでしょう。